日本代表MF鎌田大地は、今年夏にブンデスリーガ(ドイツ1部)アイントラハト・フランクフルトからセリエA(イタリア1部)ラツィオへフリー移籍。代理人がラツィオ移籍に至った背景を語っている。
昨季までフランクフルトの主力選手として活躍していた鎌田は、今年6月末に契約満了でフランクフルトを退団。ミラン移籍で合意とみられていたが、クラブ幹部の交代により一転して交渉が破談。リバプール、レアル・ソシエダなど複数クラブからの関心が報じられる中、8月上旬にラツィオへの加入が正式決定していた。
ミラン移籍破談をはじめ、紆余曲折を経て新天地決定に至った鎌田。欧州で複数選手を顧客に持つジャンルカ・ディ・カルロ氏は、イタリアメディア『Sportitalia』のインタビューに応じた際、ラツィオの同選手獲得について以下のように分析している。
「鎌田はフリーで、ミラン、リバプール、ベンフィカ、レアル・ソシエダなど多くのクラブが彼の獲得に動いた。ミランは経営陣が変わった後、これまでに合意したことへの言及がなくなったと聞いている。そんな中、ラツィオはこの契約を嗅ぎつけ、クラブ関係者はすぐに鎌田獲得というアイデアを気に入った。多くのクラブによる妨害がなかったわけではない。結局のところ、我々は通常2800万ユーロ(約45億円)の価値がある選手について話している」
「どのクラブも鎌田にプレッシャーをかける中、ラツィオは彼(の意思決定)を待つのがうまかった。イタリア人はブラジル人や日本人とは違う。鎌田は日本から戻ってきた時に、移籍先をラツィオに決めた。監督、スカウト、スポーツディレクター、会長など、クラブ関係者全員が納得する選手であることは間違いない」
ラツィオの補強戦略については、イタリア紙『コリエレ・デラ・セラ』が今年8月に「新戦力の獲得は、すべてクラブ幹部とマウリツィオ・サッリ監督が同意した上で行われている。おそらく全員が監督の第一希望に該当するわけではないが、指揮官はこれまでの選手獲得をすべてを支持している」と、クラブ内での意思統一に触れていた。
クラブ幹部やサッリ監督による素早い意思決定や、選手サイドの決断を待つ姿勢が功を奏した格好となっただけに、鎌田の活躍が期待される。