11月2日(木)から12月9日(土)まで、香港出身のアーティストであるAmy Tong氏とWu Jiaru氏による二人展「青喉:胡蝶が海峡を渡って行った」が東京・神宮前のギャラリー「Galerie Supermarkt」にて開催される。

キュレーターは同じく香港で活躍するChris Wan氏。香港出身のアーティストたちが構築する世界観を楽しんでみては。

二人展「青喉:胡蝶が海峡を渡って行った」が開催

「青喉:胡蝶が海峡を渡って行った」は、新型コロナウイルスの流行、そして社会運動が活発化する現在の香港をテーマに、人々の状況について考察する二人展。

出展アーティストであるAmy Tong氏とWu Jiaru氏、それにキュレーターのChris Wan氏は、本展の作品制作と探求のため東京まで渡航。その成果は、映像作品とキュレーターのキュレーション記、絵画やインスタレーション作品などに表れている。

Amy Tong氏の力強い黒い絵画と白い陶磁器のインスタレーションは、記憶や夢、家族の歴史にフォーカスして制作された。本展では暗い地下空間を舞台に、現代(現実)と歴史(過去)についての考察を行っている。

一方、Wu Jiaru氏は柔らかい空間を1階に構築。特異な反射布に鳥や花を描くことで、停滞した現代(現実)を表現してみせた。「情感裝置(Emotional Device)」シリーズでは抑制できない人間の感情を表現。「自動絵画」シリーズでは、進むべき道について困惑する様子を描いている。

現代に生きる“人間らしさ”をアートを通じて探求

なお、本展のタイトルにも含まれている「青喉」とは、Chris Wan氏が発起したキュレーションプロジェクトのこと。インド神話の「青喉者」のイメージを用いて、華人の移動、分散、アイデンティティの変化を手がかりに、現代性とグローバリゼーションの過程における人間の感情・意志・欲望・情動を探求することがテーマだ。

今回開催されるのは、今年4月に香港で開かれた「青喉:開始攪動」、7月にシンガポールで開催された「青喉:悠長的斷裂」、そして10月に深センで開催された「青喉:水土異也」に続く、シリーズ第四弾目の展覧会。

本展のタイトルは、1929年に日本の詩人である安西冬衛が書いた有名な一行詩「一隻蝴蝶飛過韃靼海峽(てふてふが一匹韃靼海峽を渡って行った)」から影響を受けているという。

世界で活躍するアーティストの作品を目にできる貴重な機会を逃さないようにしたい。

青喉:胡蝶が海峡を渡って行った
会期:開催中〜12月9日(土)※日・月曜日定休
開館時間:12時〜18時
会場:Galerie Supermarkt
所在地:東京都渋谷区神宮前4-26-12 カワノビル 2F
入場料:無料

(IKKI)