決勝戦を経験するということ

2012シーズンからG大阪に復帰した丹羽は、2014年から2016年まで3シーズン連続でルヴァン杯(当時はナビスコ杯)決勝に進出し、2014年は優勝、その後の2年間は準優勝している。また、FC東京在籍時の2020年にもルヴァン杯で優勝していることから、決勝戦がどのように作用するか経験済みだ。

「優勝するしないという選手の経験値ももちろん大切なんですが、クラブとして、街として、またアビスパ福岡に関わる全ての関係者が決勝戦を経験するということが、僕は1番大切だと思います。優勝した後にどういうクラブになっていかないといけないとか、ディフェンディングチャンピオンとしてどういった環境が必要なのか、どういう選手が必要なのか、どういうクラブスタッフが必要なのか。多分、今回の決勝を経験することで、それらが分かると思うんです。

万一敗退しても、優勝するためにはクラブとして何が足りなかったのか、スポンサーとして何が足りなかったのか、選手として何が足りなかったのかというのを、優勝という物差しで測れます。そういう意味でも決勝戦に行って戦うということは、めちゃくちゃ良いことだと思うんですよね」

今ではJリーグ屈指の人気と知名度を誇るG大阪にとって、優勝も準優勝もどちらも必要だったと考えているようだ。

「もちろん、優勝するに越したことはありません。ディフェンディングチャンピオンとしての見られ方などは、凄いプレッシャーがあります。そのプレッシャーも含めて、クラブとしてどう乗り越えていくかというのは優勝しないと分からない。だから優勝してもらいたいですね。来年には多分いろいろな課題が出てくると思いますが、それはクラブがスケールアップしていくという意味で凄く良いこと。選手だけの問題ではなく、僕は福岡県やアビスパに関わる全ての人たちが通らないといけない道だと思っています」

37歳となった現在もスペインの地で戦い続ける丹羽大輝。古参の福岡サポーターにとって印象深い名DFからのメッセージも力に変え、初のタイトル獲得を目指すアビスパ福岡に多くの注目が集まっている。運命のルヴァン杯決勝戦は11月4日13時05分キックオフだ。