遠藤航 写真:Getty Images

 リバプールは10月29日開催のプレミアリーグ(イングランド1部)第10節ノッティンガム・フォレスト戦で、サポーターから日本代表MF遠藤航を応援する横断幕の掲出を認めず没収した件について謝罪。サポーターは「日の丸デザインに政治的メッセージがある」ことが没収に至った理由と主張していたが、ここにきて問題発生の真相が明らかになっている。

 今回没収された横断幕は背景色が白であり、「WATARU ENDO」とフルネームで書かれている。また「O」の部分が日の丸のデザインとなっており、日本国旗を連想されている。

 それだけにリバプールを応援するX(旧ツイッター)アカウント「Handmade Banners」は、日の丸のデザインが「国家主義的な旗」に該当すると判断されたと解釈。FA(フットボール・アソシエーション)はすべてのスタジアムで「国家主義的な旗」の掲出を禁止しており、特にガザ地区での戦争勃発を踏まえてイスラエルとパレスチナの国旗掲揚に厳しく対応していた。

 リバプールは横断幕没収の件でサポーターに謝罪しているが、米メディア『ジ・アスレチック』によると、横断幕のサイズに問題があったとのこと。クラブの規定では横2メートル、縦1mメートルを超えるものは禁止されているが、没収された横断幕は横2.4メートル、縦1.4mメートルだったという。

 また当該サポーターはクラブの対応に激怒。『ジ・アスレチック』のインタビューで、以下のようなコメントを残している。

 「私は2016年以降、ホームゲームのたびにメインスタンドの同じ場所に横断幕を掲げてきた。ここ7年間、横断幕の規定でそれほど大きな変化はなかった。クラブは以前、プログラムやクラブのウェブサイトで特集を組み、グラウンドで私の手掛けた横断幕をどこで見ることができるかをファンに案内していた」

 「ノッティンガム戦では、遠藤の横断幕は『国家主義的な旗』であり規定に反するので持ち込めないと言われた。彼らは私を罰するを決めたような気がする」

 「クラブは横断幕を没収した理由について謝罪した。だがその後、彼らは『そもそも横断幕のサイズが(クラブの規定よりも)大きいので、メインスタンドでの横断幕掲出の許可を私に与えるべきではなかった』と言ってきた」

 「彼らは引き続き私と協力したいが、今後は横断幕のサイズ要件を満たす必要があると言ってきた。この遠藤の横断幕には200ポンド(約36000円)の材料費がかかっている。制作には20時間も要した。誰がこの費用を払ってくれるんだ!アンフェアだと思う」