久保建英(レアル・マドリード所属時) 写真:Getty Images

 レアル・ソシエダ所属の日本代表MF久保建英は、今月1日に行われたコパ・デル・レイ(スペイン国王杯)1回戦で出番なし。4日にバルセロナとの古巣対戦を控える中、現地ではかつて久保がFC東京からバルセロナではなくレアル・マドリードへ移籍した背景に注目が集まっている。

 久保は2011年8月からバルセロナの下部組織でプレーしていたが、バルセロナに対する18歳未満の外国籍選手登録禁止処分をうけて2015年3月に帰国。FC東京や横浜F・マリノスを経て、2019年6月にFC東京からマドリードへ完全移籍。バルセロナとマドリードがライバル関係であることから、同選手のマドリード移籍には驚きの声が上がっていた。

 ラ・リーガ第12節のソシエダ対バルセロナが今月4日に行われるのを前に、スペイン紙『ムンド・デポルティーボ』は「クボはなぜバルセロナに残らずマドリーに移籍したのか」と見出しをうち、久保の過去を紹介。

 「2019年の初めにバルセロナに復帰すると誰もが思っていた。しかし、それから数カ月後の2019年6月、その可能性は消滅した。バルセロナと久保は復帰にむけての事前交渉で合意していたが、トップチームでのプレーを含めて、再び交渉。複数回の交渉を経て、バルセロナは立ち上がった」

 「そこにマドリードが登場し、バルセロナより金銭面で好条件のオファーを提案した。2019年夏、マドリードは、若い才能を惜しみなく買い集めるという方針に従い、久保の獲得を発表した」と、バルセロナ復帰が幻に終わるまでの過程を説明している。

 また久保がマドリードでプレーする機会がほとんど無かったことについては、「ベルナベウでのプレーは、加入1年目のプレシーズンが有望だったにもかかわらず、うまくいかなかった。ビニシウス・ジュニオールやロドリゴの出現により、ヘタフェ、ビジャレアル、RCDマジョルカへのレンタル移籍というメリーゴーランドに押し込まれた」と綴るなど、マドリードの青田買いが失敗に終わったとの見解を示している。

 昨年7月にマドリードからソシエダへ完全移籍して以降、本来のパフォーマンスを発揮している久保。コパ・デル・レイ1回戦で休養が与えられただけに、バルセロナ戦での活躍が期待される。