なでしこジャパン(日本女子代表)は今月1日、パリ五輪アジア2次予選のグループリーグ最終節でベトナム代表に2-0と勝利し、グループリーグ首位で最終予選へ進出。その最終予選で北朝鮮代表と対戦するが、北朝鮮戦開催の可能性を海外メディアが報じている。
北朝鮮は今年9月に行われた第19回アジア競技大会(杭州アジア大会)で5年ぶりに国際大会へ復帰。しかし世界反ドーピング機関(WADA)が北朝鮮国内の反ドーピング機関が基準を満たしていないとして国旗の掲揚を禁止していたにもかかわらず、同大会で掲げられたことが問題となっていた。
また北朝鮮はWADAからの抗議を受けて、アジアパラ競技大会をボイコット。韓国メディア『リバティーコリアポスト』はボイコットの理由を「国旗の掲揚禁止に対する反発」と報道。日本国内では、この問題がFIFAワールドカップ予選など他の国際大会に影響を及ぼし、同国代表が大会棄権に踏み切る可能性が報じられていた。
しかし米ラジオ局『ラジオ・フリー・アジア』は1日、アジアゲーム組織委員会情報サイト『マイポイント』の情報として「アジアオリンピック評議会(OCA)事務総長代行は先月、北朝鮮にドーピング検査官を送る準備ができていることを明かした。北朝鮮側から『ドーピング検査のための検査官を送ってもよい』という内容の書簡を送った」とリポート。
アジアパラ競技大会をボイコットした北朝鮮がドーピング検査に応じるなど、WADAに対する態度が軟化すれば、今後国際大会における国旗の掲揚が再び認められるとともに、北朝鮮が引き続き国際大会に参加する可能性が考えられる。
なでしこは来年2月24日に北朝鮮とのアウェイゲームに臨むほか、同月28日にホームで対戦。2試合合計スコアで上回った場合に、パリ五輪出場が決まる。日本男子代表「森保ジャパン」も来年3月の北中米W杯アジア2次予選で北朝鮮と対戦するだけに、北朝鮮によるWADAへの対応に注目が集まる。