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原子力の中間貯蔵とは、使用済み核燃料の一時貯蔵のことを指す。
使用済み燃料とはその名称が示す通り、原子炉で一度使用された後の燃料である。原子炉の使用に伴ってこれまでも出てきており、これからも出てくる。
この使用済み燃料は青森県六ヶ所村にある日本原燃の再処理施設に持ち込まれて再利用できるウランやプルトニウムと再利用できないものに分離され、そのうち高レベル放射性廃棄物(いわゆる核のごみ)は、日本のどこかに適地を探し出して深い地下に埋葬処分されることになっていいる。
しかし、再処理施設は諸般の事情で一向に動く兆しがない。
再処理施設が動いていないので、現在、使用済み燃料は発電所内に一時的に貯蔵されているが、それにも限界がある。したがって、どこかに運び出して一時的に貯蔵してやろうというのが中間貯蔵である。原子力発電所と再処理施設の〝中間〟に位置する貯蔵という考え方である。

中間貯蔵施設概要中国電力HPより
青森県むつ市には東電などを中止にしたむつの中間貯蔵所がすでにある。これに対して、関西電力などの原子力発電所には中間貯蔵所の候補地さえ選定できない状態が長く続いた。
そんななか、今年8月に山口県上関町が立地可能かどうかの調査を受け入れると判断した。
中間貯蔵施設建設に向け調査 上関町が交付金を国に申請

中間貯蔵施設建設に向け調査 上関町が交付金を国に申請|NHK 山口県のニュース
【NHK】中間貯蔵施設の建設に向けた調査が進められている上関町は、1日までに調査開始に伴って交付される交付金を国に申請しました。
中国電力が上関町…
これによって一つの可能性の扉は開いたが、このまま上関に中間貯蔵施設を建設することが決まるかどうかは今の時点では全くわからない。原子炉から出てきた使用済み燃料は行き先が定まらず、いまだに彷徨っているのである。