黒坂岳央です。

ある程度、社会的、経済的成功を得るとどんな人でも変化する。すわなち傲慢で上から目線な人と、謙虚で愛される人格者である。自分の知るビジネスマンはほぼこの2つにカテゴライズできる。目指すべきは当然後者なわけだが、なぜ彼らはいつまでも謙虚、素直に間違いを認めて愛される人格を維持できるのか?

自分自身は他人から見て大成功者などではないが、昔と比べればかなり遠くに来られたと思っているし、他者から見て矮小な存在でも自分が望むものは一通り手にしたのでとりあえずの「自己満足感」は得られたと考えている。手前味噌でおこがましいが、謙虚さや素直さは昔と変わらず維持できていると思っている。僭越ながら独断と偏見で自分なりのエッセンスを共有したい。

結論、それには複合的な哲学によるものと考えることができる。1つずつ解説したい。

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上には上がいる

まずは「上には上がいる」という当たり前の事実を認識することである。向上意欲を持ってチャレンジを続けていけば、自ずと視点は下ではなく上に向く。当然だが、どんな世界でも上がいる。否、世界トップに登りつめた人物でも「後世世代に抜かれる覚悟」を持って日々努力を続けていたりする。

こうした思考から「自分はすごい。周囲はみんな自分より下」などとは考えない。そのように慢心して手を抜いた時から凋落や精神的腐敗が始まるからである。成功者の息の根を止めるのは競合他者ではなく、常に己の慢心である。防止策は上には上がいるという当たり前の事実から目を背けないことだ。