全国の茶産地からこだわりのお茶を扱う「日本茶きみくら」は、鎌倉のギャラリー「うつわ祥見 KAMAKURA」とのコラボ企画展「お茶の時間 やさしい湯呑と、おいしい菓子皿展」を、11月12日(日)まで開催中だ。

場所は、羽田空港内にある羽田エアポートガーデンにて。お茶の時間をより豊かにしてくれる、美しい器と出会ってみたい。

美しいお茶のあるシーンを提案する、日本茶と器

「日本茶きみくら」は、茶処静岡県掛川市に本店を構える日本茶専門店。お茶のある豊かな暮らしをコンセプトに、全国の茶産地から厳選した日本茶や抹茶、菓子や茶器などを取り揃え販売している。

そして、羽田空港第3ターミナルに隣接する商業施設内の「日本茶きみくら羽田エアポートガーデン店」は、日本の出入り口である羽田空港という特別な場所で、日本茶文化に触れられるよう、こだわりのお茶を中心に、遊び心あふれる道具やアンティーク茶器などを取り揃えている。

器のギャラリー

「うつわ祥見 KAMAKURA」は、神奈川県鎌倉にあるうつわのギャラリー。

毎月、作家の個展を開催するとともに、代表の祥見知生氏はうつわに関する書籍を多数執筆しており、全国各地で食べる道具の美しさを伝える、テーマ性のある器の展覧会を数多く手がける。近年では海外でうつわを伝える機会も多く、アメリカやオランダなどでうつわの展示を行っている。

こだわりのお茶と美しい器との出会い

同店では、国内外で活躍する鎌倉のギャラリー「うつわ祥見 KAMAKURA」とのコラボレーション企画が実現した。

数ある創り手の中から、同店のお茶のシーンに合う国内の作家5名の作品をセレクト。情緒あふれる湯吞や菓子皿を展示販売する。

企画展の5名の作家

今回の企画展でセレクトされた、5名の作家についてみてみよう。

尾形アツシ氏は、奈良県宇陀市の山あいで、登窯とガス窯による作陶を続ける。土の持ち味に逆らわず、原土に近く鉄分の多い土の良さを引き出す、粉引や刷毛目のうつわを作る。

薪窯で焼成した器は、食材を盛るとさらに生き生きと呼吸をはじめるような勢いのある作品だ。

志村睦彦氏は、日本料理の調理師時代に、うつわに惹かれ陶芸の世界へ。粉引、三島、青磁、黒釉など、丹念に作られた作品からは、深い知性や品性が伝わってくる。

宮岡麻衣子氏の清楚で上品な湯呑みや皿は、小さいながら凛とした存在感があり、永く食卓で愛されるうつわである。女性らしい華やかさも備え、贈り物としてもふさわしい品格ある作品だ。

村木雄児氏は、静岡県伊東市で作陶。粉引や唐津、三島など、土の良さを生かし、焼き物の本質に根ざした日々のうつわを作る。

湯呑みは自然な丸みを描き、軽やかで手取りも良い。品格にあふれ、柔らかな表情が魅力だ。

吉田崇昭氏は、有田で焼き物を学び、福岡県にて作陶。特に初期伊万里、古陶のエッセンス漂う染付のうつわを中心に制作している。何気ない野の花を描くそれらのうつわは、日常に寄り添い、食卓に優しさを運ぶような穏やかさがある。

1つ1つ表情の異なる作品は、まさに自分だけの特別な一点。深まる秋のお茶時間を、もっと豊かに楽しむための器と出会ってみては。

お茶の時間 やさしい湯呑と、おいしい菓子皿展
会期:〜11月12日(日)
時間:10:00〜21:00
会場:日本茶きみくら 羽田エアポートガーデン店
所在地:東京都大田区羽田空港2-7-1 羽田エアポートガーデン2F

(田原昌)

作品画像:大社優子