札幌ドームに詰めかける浦和レッズサポーター 写真:Getty Images

 北海道コンサドーレ札幌所属の元日本代表MF小野伸二は、今季限りでの現役引退を表明。浦和レッズとの古巣対戦が現役ラストマッチとなったが、この札幌ドーム開催の一戦におけるアウェイ席のチケット価格が「高すぎる」と話題に。価格変動制「ダイナミックプライシング」に対する反対意見が相次いでいる。

 日本代表や欧州で実績を積み重ねた小野は、浦和でも活躍。2006年にJ1リーグと天皇杯優勝を成し遂げると、2007年にはAFCアジアチャンピオンズリーグ制覇に貢献していた。また札幌では2014年からプレー。2016シーズンにJ1昇格に貢献すると、2017年以降も経験豊富なベテランとしてチームを支えていた。

 その後は2019年8月にFC琉球へ完全移籍も、2021年1月に札幌へ復帰。復帰後も精神的支柱としての役割を果たしていたが、今季はここまで公式戦で出番なし。今年9月27日に自身のインスタグラムを通じて現役引退を表明した。

 それだけに、J1最終節の札幌対浦和におけるチケット価格がプラチナ化。Jリーグチケットでは、カテゴリー5熱狂エリア(ホームゴール裏)で4750円(大人1名)、カテゴリー3(バックスタンド)で4418円という設定になっているほか、アウェイ席は8050円にまで跳ね上がっている。

 このダイナミックプライシングによるチケット価格高騰をうけて、X(旧ツイッター)上では浦和・札幌サポーターやJリーグファンから驚きの声が。「高すぎて買えない」「クラブの利益に繋がってるだろうけど、気軽に友人をサッカー観戦に誘えない」と嘆くファンがいるほか、「ファンのためになっていない」「全然適正価格ではないけど…」といった反対意見も続出。「ダイナミックプライシングは上限、下限の設定はしたほうがいい」などと、ダイナミックプライシングのシステム改善を訴える声も上がっている。

 札幌は新型コロナ感染拡大の影響を受けて、2020シーズンの公式戦2試合でダイナミックプライシングによるチケット販売を試験導入。2021、2022シーズンでも同システムによるチケット販売を実施すると、2023シーズンから全試合で導入している。

 なおダイナミックプライシングによるチケット販売は、今年9月3日に味の素スタジアムで行われたJ1第26節のFC東京対アビスパ福岡でも議論の対象に。当日券でホーム自由席(ゴール裏含む)が2900円(大人1名)であるのに対して、ビジター指定席(アウェイゴール裏)が4600円と割高な価格設定であっただけに、ネット上ではコロナ明けの経営状況に理解を示す声がある一方、ダイナミックプライシングに対する厳しい意見も沸き起こっていた。