アシックスが展開する「オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)」は10月25日、定番モデル「メキシコ 66(MEXICO 66)」および、存在感のあるフォルムが特徴の「デレシティ(DELECITY)」の立体商標が登録されたと発表した。同ブランド製品の立体商標の登録が認められたのは今回が初めて。
1949年、鬼塚喜八郎によって神戸市に設立された鬼塚株式会社が「オニツカタイガー」の始まり。国際的なスポーツの祭典で「オニツカタイガー」のシューズを履いた日本選手が活躍したことで、同ブランドは世界のアスリートにとって注目の存在となった。そして、1977年に社名を株式会社アシックスに変更したことで、「オニツカタイガー」のアイテムの製造も止まり、一度ブランドの歴史は途切れた。しかし、2000年ごろヨーロッパの「アシックス(ASICS)」で「ライフスタイル」というカテゴリーを新しく創出した際に休止していた「オニツカタイガー」に着目し、昔のカタログを日本から取り寄せ、プロジェクトをスタートした。そして2002年、「アシックス」は、当時のファッショントレンドのレトロブームにも乗って、あえてスポーツ専門店ではなく「オニツカタイガー」をファッションブランドとしてリブランディング。翌2003年には東京・代官山に直営店をオープンさせ、さらにはパリ、ロンドン、ベルリンなど海外の主要都市にショップを次々にオープンさせるなど再び世界に進出した。スポーツシューズであるオリジナルの「オニツカタイガー」をベースに、カットやカラー、構造にアレンジを加え、今の時代に寄り添ったモデルとして「メキシコ 66」の他にも「カルフォルニア78(CALIFORNIA 78)」や「ニッポン メイド(NIPPON MADE)」シリーズを展開している。
今回商標登録された「メキシコ 66」は、2002年の「オニツカタイガー」のブランド復活と同時に発売されたブランドのアイコン的一足。1961年のトレーニングシューズ「リンバーアップ」の特徴と、1966年にメキシコ大会に向けて開発された「オニツカタイガーストライプ」が初めて搭載されたモデルのひとつであるトレーニングシューズ「リンバー」のデザインを掛け合わせて作られたシューズだ。1960年代の雰囲気を残しながらも現代風にデザインされており、カラーバリエーションの豊富さと洗練されたシルエットも強みである。
また、2017年に誕生した「デレシティ」は、厚底で存在感のあるシルエットながらも軽量に仕上がった履き心地の良いアイテム。1950年代のアーカイブバスケットボールシューズや、1980年代のテニスシューズの要素をベースに組み合わせながら、よりスタイリングしやすく再構築されている。
アシックスは、「このような歴史的背景やデザインコンセプトを有する『メキシコ 66』および『デレシティ』の全体形状・デザインは当社の重要な知的財産であり、これを保護するために立体商標の出願にいたりました」とコメントしている。
欧米でリスタートし、日本生まれのスポーツファッションブランドとして日本の職人・伝統文化を世界に伝えている「オニツカタイガー」。常に新たな価値を提供し続け、今後も新しいラグジュアリーを探し求める人々に寄り添うことを目指していくという。
文・岩見光/提供元・SEVENTIE TWO
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