シニアポピュリズム、ばら撒き老人医療の成れの果て・・・
年金老人医療介護が「世代間扶助=子孫世代にツケ送りリボ払い」これは人口増が続かなければ破綻する、ねずみ講そのものだ。それは30年前から予測され「痛みある社会保障改革」が言われ、民主党政権時には新聞各社も試案を出しようやくと想ったが、安倍政権返り咲きで雲散霧消した。もはや改革の気配などどこにもない、シニアポピュリズム・バラマキ老人医療さらに介護である。
いや、介護そのものがシニアポピュリズム・バラマキ老人医療により「作られた」とも言える。平均寿命が70歳超えたのは70年代ちょうど老人医療費が無料化された頃である。当時は医療レベルも低く脳卒中は多く、その発症は「コロリ死」だった。健康なら長生きし「長老」となり、そうでなければコロリ。
ところが老人医療費が無料化され医療レベルは向上、「死に損なうようになった」。一度倒れたくらいでは死なないが、倒れるごとに障害は重度化し要介護化する。「百寿は本当にめでたいか」で筆者が調査の通り、百歳では9割は寝たきり同然である。どんな状態であれ生きていれば年金も食むし介護もされる。ケアも保険料も担い手は減るのに、取る者ばかりが増えていく。
我が国は大事なことを間違えた。自力で生きられない者を医療で無理やり延命する、それをしかもタダ同然にすることも、そのために子孫世代にツケ送りする制度にしたことも、なのに子孫を増やすための予算施策をなさなかったことも、わが国と政権与党は「全部間違えた」のである。
若い人たちが将来に希望を持ち、報われる未来のためにしかし介護職は減るのに要介護者認知症者が増える、という現実がある。どうするのか。筆者は臨床の現実を鑑み敢えて、健康保険による盲目的延命医療の給付制限を提起する。
要介護者ないし認知症患者が容体悪化し意識回復が望めない場合、延命医療を保険給付から外す。これにより際限なく寝たきり老人が増えることは無くなり、人口構成が若返り始める。要介護者増が減じるから、介護職需要も減る。意思表示不能での延命は厚労省の調査でも盲目的延命が本人の意思によらず開始されることが明らか、周囲のソンタク余計なお世話だ。
定期通院者や要介護者の無料健診を廃止すれば、年に1000~2000億円前後の医療費が削減できる。定期通院や要介護なら健康ではない、治療に必要な検査以上の内容ではない「健康診断」などナンセンスだ。「平穏死」を提言する石飛医師の経験談「村ではいよいよ動けなくなったら枕元に水だけ置いておきます、生きる力があればそれ呑んで生きるし、そうでなければ天寿です」は「本来あるべき看取り死生観」だ。
高齢者金融資産は1200兆円を超えしかも偏在する、資産があるなら介護費はまず自己負担すべきだ、要介護者は高齢者の2割、自力で頑張る人の方が多いのだから。介護保険は基本的に自己負担1割。富裕層が介護は汗水たらす人の金でちゃっかり格安、資産温存し子孫にタナボタ、まさに格差で不公平だ。
上記により誰も幸せにならない盲目的延命寝たきり老人も盲目的延命医療費介護費もどんどん減り、資産保有者が汗を流す人の金で財を遺す搾取を解消できる。これからの国、社会を担う若い人たちは大分負担(感)が減るはずである。それでこそ若い人たちが将来に希望を持ち報われる未来を信じ、働き恋愛し結婚し妊娠出産育児し、国が再び繁栄するのだ。
我が親がいつか言った「子が親のためにあるのではない、親が子のためにあるのだ」。
【参照】
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