SNSでは最近、冗談混じりに食品にいくら費やしているかを公開する投稿が話題になっている。

コメント欄では購入品の内容をめぐる議論が多いものの、食品価格に人々が敏感になっている様子が窺える。

インフレは個人の貯蓄も直撃している。

アトランタ連銀によると、5月に1兆ドルを超えていた個人貯蓄は、8月に7,941億ドルまで減少した。パンデミックの初期は、政府の景気刺激策により約6兆ドルまで膨れ上がっていた。

家計の債務も増加の一途で、第2四半期の国民全体の家計債務は過去最高の17兆ドル600億ドルに達した。このうちの1兆ドルはクレジットカードの債務が占める。

ただし経済は好調で、今週発表されたGDPの第3四半期の伸びは、個人消費が主導し、5期連続でプラスとなった。専門家からは、人々はインフレの中で生活水準を維持するために、所得の伸びよりも早いペースで支出を増やし、貯蓄を取り崩しているといった指摘も上がっている。

なおバイデン大統領は、GDPの予想を上回る拡大について「アメリカの消費者とアメリカの労働者の回復力の証だ」と述べ、「中間層を成長させて経済を伸ばすというバイデノミクス」の成果によるものと強調している。