日本代表DF冨安健洋は、プレミアリーグ(イングランド1部)アーセナルでレギュラーを掴めていない。それでもミケル・アルテタ監督は同選手の振る舞いやプロ意識、ユーティリティ性を称えている。
冨安は2021年夏にセリエA(イタリア1部)ボローニャからアーセナルへ完全移籍。プレミアリーグ挑戦1年目から右サイドバックでコンスタントにプレーしていたが、昨年1月の負傷離脱以降はベンチ要員に甘んじている。
そして今季もプレミアリーグでスタメン出場1試合と、左サイドバックを巡るDFオレクサンドル・ジンチェンコとのポジション争いで後れをとっているが、今月8日に行われた第8節マンチェスター・シティ戦で決勝ゴールを演出。22日に行われた第9節チェルシー戦では後半キックオフからピッチに立つと、自陣左サイドでFWラヒーム・スターリングの突破を阻止。前半終了時点で0-2だったチームに勝ち点1を呼び込んだ。
途中出場で何度も存在感を発揮しているだけに、アルテタ監督からの評価は依然として高い。指揮官は28日に行われる第10節シェフィールド・ユナイテッド戦の前日会見で、以下のようなコメントを残している。
「トミはここ(アーセナル)でみんなから愛される選手だ。彼はいつも一番乗りでグラウンドに現れて、一番最後にグラウンドを後にする。彼に何かをするように言うと、彼はそのために全てを捧げるんだ」
「彼は桁外れのプロフェッショナルな選手で、チームの誰もが持っていない多才さと資質を我々に与えてくれる。私にとって彼は本当に大切な存在だ」
冨安のメンタリティを称賛したアルテタ監督は、同選手のユーティリティ性がチームに与える影響の大きさについても語っている。
「すべての試合には異なるストーリーがある。すなわち、必要な時に様々なポジションをこなせる、万能な選手が必要なんだ。ただこれは難しいことである。毎日違うポジションで練習している選手に対して、特定のポジションでプレーするように要求するからね。慣れが不足している選手には難しいことだし、体力的にも難しい要求だ。だがトミはいつも自然にこのやり方に適応しているんだ」