【連載:某国諜報機関関係者で一切の情報が国家機密扱いのジェームズ斉藤(@JamesSaito33)が斬る! 国際ニュース裏情報】

【ジェームズ斉藤が明かす「ウクライナ侵攻」の真実】
ジェームズ斉藤(以下、ジェームズ):ロシアは完全に内戦になりましたね。とりあえず、ここで中間報告ですが、こうやって話している間も動きがあるので、それは追加していきましょう。
──お願いします!
Recommended by ジェームズ:まず、皆さんが疑問に思っているのはなぜここに来てプリゴジンがプーチンまで裏切ったのかということでしょう。
──これまでの標的はずっとショイグ、ゲラシモフでしたよね。
ジェームズ:今回も最初はそうだったんですよ。プリゴジンは「ロシア軍の悪をやめさせ、正義を回復する」と言っているわけですから、標的は完全にショイグ、ゲラシモフでした。プーチンに関しては「プーチンはショイグたちに騙されてウクライナに参戦させられた」と言っています。ロシアの悪は完全にショイグとゲラシモフです。それでワグネルグループはロシア軍南部軍区司令部を占拠したわけです。ここはこの司令部はウクライナ侵攻の拠点であり、ショイグ、ゲラシモフの権力基盤でもありますから。
──そうなんですね。で、その前にちょっと確認しておきたいのが、ロシア軍がワグネルをミサイル攻撃したというのは本当なんですか?
ジェームズ:あれはフェイクでしょうね。プリゴジンが流した証拠映像は、森の木が燃えている映像だけで、ミサイル攻撃があったかどうかは判断できないんです。極端に言えば、プリゴジン自身が勝手に火をつけて「ロシア軍にやられた!」と言っても全くおかしくないほどの「超小規模」な山火事被害でした(苦笑)。ですから、あれは単に、ロシア軍南部軍区司令部を攻めるための口実が欲しかったんでしょう。いずれにせよ、これをきっかけに南部司令部はワグネルの手に落ちてしまいました 。さらに国防省の本部があるモスクワに向けてワグネルの兵力を移動させていたのです。ところが、その最中に異変が起きました。プーチンの演説が始まったんです。
──プーチンのあの演説ってモスクワへの進軍途中だったんですね。
ジェームズ:全文訳はすでにメルマガのほうに載せてありますが、大事な点はプーチンは「裏切り者がいる」と言っていながら、誰も名指しにしていなかったことです。日本のメディアではプリゴジンを名指しにしなかったと言っていますが、ショイグやゲラシモフもプーチンを裏切っているのです。ウクライナ戦争を始める前に「ウクライナは3日で制圧できる」と言ったショイグたちですからプーチンはショイグたちに対しても裏切られた気持ちというのはあるはずです。私は昨年2月24日のロシアのウクライナ全面侵略が開始された直後の記事で、ショイグがプーチンに軍事侵攻の案を吹き込んだと暴露しています。いずれにせよ、そもそもプリゴジンが昨年9月以降台頭してきたのは「ショイグ下ろし」を狙うプーチンの謀略の結果です。ですから、プーチンはここ最近はずっとワグネルを評価してきたのです。バフムトの制圧の時にはプリゴジンに勲章を贈るという話にまでなっていましたからね。ですから、プーチンはあえて、裏切り者の名を言わずにいたのです。
──特別な意図があったと。
ジェームズ:ありました。ショイグたちとプリゴジンを両天秤にかけてさらに競わせようとしていたのです。これがプーチンの誤算でした。たぶん、ショイグたちはプーチンの演説で名指しされなかったことにホッとしたと思います。しかし、プリゴジンはどうでしょうか? ワグネルの兵まで動かしてロシア軍のヘリ3機も撃ち落としているわけです。であるのに、自分が裏切り者だと言われかねないどっちつかずの宙ぶらりんの状態にされてしまったのです。これでプリゴジンは「プーチンに裏切られた」と思いました。

──あの演説が良くなかったんですね。
ジェームズ:逆効果になったと思います。この演説が終わった直後に出したプリゴジンの声明で、「大統領の言うこともきかない」とはっきり言って事態が大きく変わってしまったのです。プリゴジン率いるワグネルがクレムリンに対してクーデターを仕掛けたのです。それまではロシア国防省を標的とするクーデターでしたが、現在はクレムリンを標的にしています(この後、モスクワ侵攻は中止し、プリゴジンたちはベラルーシへと向かう)。
──完全に内戦ですよね。
ジェームズ:プリゴジンの味方に誰がつくかによって内戦になるか、クーデターになるかは変わってきますよね。プリゴジンを支持しているのはロシア国内の極右勢力です。しかし、ドゥーギンやロシア正教がどう動くかによってそれは変わってきます。そして、プーチン演説から数時間後、「我々はプーチン大統領を支持すべきだ」というコンスタンチン・マロフェエフ、アレクサンダー・ドゥギン、アンドレイ・トカチェフ大司祭による緊急声明が出されました。極右のトップたちはプーチン支持に回ったのです。
──プリゴジンは国内の支持基盤が揺らいでいるんですね。大ピンチじゃないですか。
ジェームズ:しかし、プリゴジンにはまだ味方がいます。実はアメリカのCIAとウクライナの軍事インテリジェンスのトップ、ブダノフがプリゴジンに対してアプローチをかけていたのは事実です。彼らの戦略としてはロシアの内部分裂を誘発してプーチン体制を中から崩すやり方です。

──それは以前から言ってましたね。
ジェームズ:ロシアの内部分裂後、割譲の地図まで出回っていました。モスクワはアメリカが取るとかです(苦笑)。ブラックウォーターのエリック・プリンス氏がワグネルとコンタクトしているという話も関係者から聞いています。先日私がプリンス氏に直接聞いた時、「まぁ、ウクライナには最近よく出張に行く」と否定もしませんでした(苦笑)。プリンス氏は2012年にモスクワに行った際、民間軍事会社のノウハウを教えてくれと言われて断っていますが、それをきっかけにプリゴジンとつながりができています。プリゴジンがここまでの博打に出られた背景には西側のインテリジェンスが裏で間接的に支持しているという事実もあります。
ともかく、今回のクーデターはプーチンの演説でのミスが大きいです。あそこでプリゴジンの気持ちが大きく変わってしまいました。その前からプーチンはプリゴジンにプレッシャーをかけていたというのもあります。先日もロシアの民間軍事会社はすべて国防省と契約しなければいけないという命令を出していたのです。その期限は7月1日で、その日までに契約しないとワグネルは解散させられる可能性がありました。プーチンとすれば、ショイグとの抗争をより一層激化させる思惑があったようですが、プリゴジンのほうは「プーチンは何を考えているのか?」と思ってしまうでしょう。
そういう疑心暗鬼がある中で、あのはっきりしない裏切り者発言があって、今回の造反につながったようです。ただし、事態は始まったばかりです、まったく予断を許さない状況であるのは確かです。ロシア軍とワグネルが撃ち合っているので、内戦は既に始まったとは言えますが、本格的なクーデターとしてはプリゴジン側に兵力が少なすぎます。
(※)この後、プリゴジンはベラルーシに亡命しました。これによってロシア、ウクライナ、ベラルーシの3カ国の力関係が激変しました。これまで弱小だったベラルーシがワグネルグループを味方に引き込むことで大きな力を得たのです。プーチンは現状、劣勢に回ってしまっているということです。とはいえ、予断はできません。なにか分かり次第また速報していきます。特にメルマガは早めに更新していくので、ご確認ください。
文=中村カタブツ君
提供元・TOCANA
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