1人あたりのクレジットカードの平均保有枚数が3.2枚、平均携帯枚数が2.1枚というデータがある(JCBの調査より)。この数字の持つ意味とそのほかの調査結果から、クレジットカードは何枚持つのがいいのか解説する。

クレジットカードの保有率は84%

全国の一般消費者3,500人(20~60代の男女)を対象に行った「クレジットカードに関する総合調査」(2018年度)では、クレジットカードの保有率は84%、平均保有枚数は3.2枚、平均携帯枚数(実際に持ち歩く枚数)は2.1枚だった。

生活費のうち平均7万1,000円がクレジット決済

クレジットカード保有者の世帯あたり月平均生活費は19万4,000円。そのうち平均7万1,000円がクレジット決済されている。また保有するクレジットカードのうち1番利用されているカードは1ヵ月間に6.1回利用され利用合計は5万2,000円。

クレジットで支払われることが多いのは、オンラインショッピングや携帯電話料金、スーパーでの買い物などで、決済時に暗証番号の入力やサインの必要がないという点が共通している。

またクレジットカード選びのポイントについての質問では「ポイントやマイルの貯めやすい」「入会金や年会費の安い」「よく利用する店舗で割引サービスがある」「日常的に利用している銀行などの口座を支払口座として利用できる」といったことが挙げられていた。

ちなみに電子マネーの保有率は83.9%、利用率は70.3%で、コンビニや公共交通機関で利用される機会が多いという結果だった。さらにデビットカードの保有率は23.5%で、利用率は11.8%だった。

同じキャッシュレス決済でもデビットカードの保有率が低くとどまっているのは、クレジットカードと利用方法が変わらないため、クレジットカードで事足りるということが考えられる。

クレジットカードは3枚保有、2枚携帯するのが便利

クレジットカードを3枚保有し、2枚を携帯するという調査結果の理由だが、3枚くらいがちょうど管理しやすいというのがある。

それは使っていないカードがあると利用明細書の確認がおろそかになるし、カードが不正利用されてもすぐに気づかず、補償が適用されないということもありうるからだ。

また財布を紛失して2枚のクレジットカードを失ったとしても、カードの再発行を待つまでは3枚目のカードが使えるため、3枚のうち1枚は家に置いておいたほうがいいというわけだ。

クレジットカードを複数持つ4つのメリット

管理が面倒だから1枚に絞りたいという人もいるだろう。しかし4つの理由から複数のクレジットカードを保有したほうがいいこともある。

理由1 カードブランドを別にすればクレジット決済可能な店舗が多くなる

Visa、MasterCard、JCBというように国際カードブランドの異なるカードを1枚ずつ保有すれば、クレジット決済可能な店舗数が増え使い勝手がよくなる。

理由2 カードごとのさまざまな特典・優待を利用できる

複数のクレジットカードのそれぞれに付帯する特典・優待を利用できる。

たとえばメインカードには多くの特典・優待を幅広く網羅した年会費が有料のカードを選び、2枚目は日常的に利用しているスーパーやモールなどで優待を受けられる年会費無料のカード、3枚目は海外のJCBプラザを利用できるJCBブランドのカードを選ぶといった具合だ。

理由3 海外旅行傷害保険の補償を増額できる

海外では病院での治療費が非常に高額になることがあるため、渡航時には旅行傷害保険が必須。そのときに役立つのがクレジットカード付帯の海外旅行傷害保険なのだが、複数のカードを保有していれば、それぞれのカードの補償を受けられる。

旅行傷害保険にはそのカードで旅行代金を支払った場合にのみ保険適用となる「利用付帯」と、カードを保有しているだけで自動的に保険適用となる「自動付帯」のものがあるので、利用付帯のカードで旅行代金を支払い、自動付帯のカードを持てば、より手厚い補償が適用される。

理由4 万が一決済できないときに備えられる

クレジット利用代金を延滞してカードが使えなくなっているのは論外だが、カードそのものに物理的なトラブルがある場合がある。あるいはまれなことだが深夜帯などで特定の国際カードブランドの決済ネットワークがメンテナンスでオフラインになっている場合に備えて、複数のクレジットカードを持っていたほうがいい。

複数のクレジットカードの管理はスマホアプリが便利

クレジットカードを複数枚持つと年会費が気になる人もいるだろう。その場合は流通系カードやグループ店舗で優待のあるカードなど年会費無料も数多くあるので、そういったカードを持つのもいいだろう。

また3枚でも管理が面倒だという人は、カード発行会社が提供している利用明細などを確認するスマホアプリを活用するのもいいだろう。

文・モリソウイチロウ(ライター)
 

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