日本文芸社は、ヒット連発中の小説家・秀島迅(ひでしま じん)氏と、世界史研究者の祝田秀全(いわた しゅうぜん)氏を監修にむかえ、書籍『中世ヨーロッパの世界観がよくわかる クリエイターのための階級と暮らし事典』を発行。

ファンタジー創作者のための道標ともいうべき同書は、10月23日(月)より全国の書店・オンライン書店などで販売中だ。

ファンタジー作品を描きたい人必読の書

これまで映画・小説など数々の作品の舞台となってきた、魅力あふれる「中世ヨーロッパ」。その時代の多種多様な人々や、彼らを取り巻く文化を知ることは、必ず物語創作者の「大きな武器」になる。

昨今は“なろう系サイト”に投稿する人も増え、カジュアルに小説家になれる時代ともいえる。だが、歴史観があいまいなまま、読んだり書いたりしている人もいるのではないだろうか。

「中世ヨーロッパ」には、王族・領主・聖職者・騎士の役割や身分、ヒエラルキー、宗教観関連など、作家にとっては間違えられない史実から、住まい・経済・職業・法律・祝祭・男女・結婚観・病気・死生観など、史実をベースに膨らませたいテーマが沢山ある。こうした史実を知っておくことは、創作者のみならず、読み手として創作物を楽しみたい人にとっても有益だ。

また、現代では考えられないトイレ事情から、ゴミや汚物を明け方に道路へまき散らす行為など、現代の日本人には理解できない特殊な背景も多く存在した当時。罪人逮捕も容易ではなく、被害者自身が報復を行うことも少なくなかったため、なんと罪人を守る保護区まであったという。さらに、世にも恐ろしい「人狼」が実在したなど、まるで想像の世界のような史実にも同書では触れられている。

世界史研究者の祝田秀全氏と、小説家・コピーライターや映像作家としての顔を持つ秀島迅氏の2人が監修した同書のコンテンツは、5部構成。「1.権力者たちの暮らしとしくみ」「2.一般市民の暮らしとしくみ」「3.中世ヨーロッパ社会のルールと概念」「4.中世ヨーロッパの施設と住まい」で、中世ヨーロッパの史実を解説。そして、「5.中世ヨーロッパを舞台に物語を創作してみよう!」では、創作実践編として読者を執筆へと誘う。

同書の最大の特徴は、秀島氏・祝田氏という作家と歴史家の両方の視点により、“中世ヨーロッパの世界観”が読者に伝わりやすいよう、図解などをふんだんに盛り込み、とにかくわかりやすく紹介するための工夫が施されていることだろう。

ファンタジー作品を執筆しよう・描こうと考えている人は、これ1冊あれば書ける!そんな、作家志望の人々にとって必読の書の登場だ。

中世ヨーロッパの世界観がよくわかる クリエイターのための階級と暮らし事典
発行:日本文芸社
定価:1,980円(税込)
判型:A5判
頁数:160ページ

(高野晃彰)