かつてのF1ブームに迫る賑わいをみせた鈴鹿
例年より半月ほど早い9月22~24日、鈴鹿サーキットでF1日本グランプリが開催された。レースは盤石の走りを見せたレッドブルのM.フェルスタッペンが優勝。同時にレッドブルは2023シーズンのコンストラクタータイトルを決めた。

日本人唯一のF1ドライバーとして、アルファタウリF1チームで3年目を迎えた角田祐樹。今シーズンはポテンシャルが上がらないマシンに苦しみながら、着実に優れたパフォーマンスを披露してきている。そんな角田への期待の高まりからか、今年の日本GPには3日間で22万人以上の観客が詰めかけた。ちなみに日曜日の来場者数は10万人を超えており、これは11年ぶりとのこと。金曜日は、グランドスタンド以外の指定席が解放されていたこともあり、各スタンドは8割方埋まるなど、その人気の高さが伺えるものであった。

金曜日のフリー走行から予選にかけて、好調さをキープしていたのはレッドブルのM.フェルスタッペンだ。予選では2位のO.ピアストリにコンマ5秒以上の差をつけてポールポジションを獲得するなど、チャンピオンらしい走りを披露していた。

迎えた決勝では、スタートこそやや出遅れたものの、トップをキープし後続を引き離しにかかるが、中断でアクシデントが発生したことにより、早くもセーフティカーが導入された。ここで角田裕毅は、L.ローソンとサイドバイサイドとなってS字を通過。チームメイトに先行を許して10番手に後退してしまう。
また、S.ペレスとL.ハミルトンも接触し、その後方ではA.アルボンとV.ボッタスが衝突。1周目を終えた時点で6台がピットストップを行なうという波乱の展開となった。
レースは4周目にリスタートしたものの、V.ボッタスがヘアピンでサージェントに追突されコースアウト。再びピットインするも、レース続行を諦めた。

一方、メルセデス勢はJ.ラッセルとL.ハミルトンが、同じチームながらサイドバイサイドのバトルを展開。角田祐樹はペースが上がらず、10周目にピットインしてミディアムタイヤに交換、翌周にピットインしたL.ローソンの前で復帰することに成功するも、その後P.ガスリーにかわされ、ポイント圏外の11位に後退してしまった。

トップをひた走るM.フェルスタッペンだったが、後方のマクラーレン勢ではペースの上がらない2番手のO.ピアストリと3番手L.ノリスの順位を入れ替えるなど、チームオーダーも出された。これはメルセデス勢も同様で、1ストップ作戦を決行したJ.ラッセルとL.ハミルトンの順位を入れ替えている。

終盤、角田祐樹はL.ローソンの背後を伺うが、オーバーテイクには至らず、12位でレースを終える。一方、スタートから一度もトップを譲ることがなかったM.フェルスタッペンは、独走でチェッカー。これにより、レッドブルは2023シーズンのコンストラクターズタイトルを獲得した。

今回の鈴鹿で特徴的だったのは、日本のF1ファンがさまざまなスタイルで観戦していたことだ。そのなかでも各チームのカラーリングを施したヘルメットに、DRSが作動する機構やカメラポッドが取り付けるなど、自作でカスタマイズしているのは他のグランプリでは見られない光景で、ドライバーや外国人記者らは日本のF1ファンに驚きを隠せなかったようだ。
フォト=山村博士 H.Yamamura
文・相澤隆之/提供元・CARSMEET WEB
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