毛の濃い男性よりもスキンヘッドの方が印象は良い
実験の結果、スキンヘッドに加工された男性は、髪の毛がある元の男性と比較して、支配的で、年齢が高く、身長が大きく(約2.5 cm)、身体的に強い(ベンチプレスを約13%重く持ち上げる)印象を抱かれる傾向がありました。
しかしこの実験デザインでは、印象形成の違いが実験で用いた顔画像に依存している可能性が否定できません。
そこで後続の実験では、参加者に人物に関する記述を読ませ、印象を評価してもらいました。
以下の文章は実験で用いた人物に関する記述の例です。
「ジョンは35歳の白人です。彼は大学院卒で、健康ケアセンターで働いています。彼は中央西アメリカに住んでいます。身長は180 cmで、体重は89 kgでスキンヘッド(薄毛、あるいは髪の毛が濃い)です。」
このように人物の髪の毛の量に関する最後の記述のみに違いを設け、人物の印象形成に差が生じるかを検討しました。
実験の結果、スキンヘッドの男性は、髪の毛が濃い・薄い男性と比較して、より男性的で、身長が高く、身体的に強い印象を与える傾向が確認されました。
また、薄毛の男性よりも、スキンヘッドの男性はリーダーシップがあると思われる傾向があるようです。
これらの結果はスキンヘッドが他の髪型よりも精神的・身体的な強さを相手に伝達し、男性らしい印象を形成するシグナルになる可能性を示唆しています。
スキンヘッドは性格の大胆さを相手に伝達する
なぜスキンヘッドにすると男性的で、身長が高く、身体的に強い印象を相手から抱かれるのでしょうか。
理由のひとつとして、髪の毛を剃り、スキンヘッドにする選択を取ることは、性格の大胆さを象徴しているからだと考えられています。
ただ単に髪の毛が薄いことを放置するよりも、自分自身で髪の毛を剃るという行動は、その人物を表すうえで重要な要素として捉えられるのです。
研究チームは「スキンヘッドという髪型を選択することは、人物の印象を決めるうえでの非言語的なシグナルとなっている。髪型は人物に関する情報を伝達する表現の一形態だと言えるだろう」と述べています。
髪の毛が薄くなってきた男性は、思い切って髪の毛を剃り、スキンヘッドにしてしまうのはどうでしょうか。
そうすることで、薄毛による自尊心や身体イメージの低下、ストレスやうつ病のリスクを防ぐだけでなく、より男性らしい印象を形作ることができるでしょう。
特にビジネスの場面などでは、自らのリーダーシップの能力や身体的な強さを表現することで、こちら側の有利な条件で交渉を進めることができるかもしれません。
逆に子どもと接するような相手に威圧的な印象を与えてはいけない場面では、髪型をスキンヘッドにするのは最善の選択ではないと言えます。
将来薄毛になってしまったときの対処法の一手段として頭の片隅に留めておいてください。
参考文献
Bald men are more confident and attractive, study finds
元論文
Shorn Scalps and Perceptions of Male Dominance
Meta-analysis identifies novel risk loci and yields systematic insights into the biology of male-pattern baldness
Social Perceptions of Male Pattern Baldness. A Review