朝夕がめっきり涼しくなって、いよいよ秋本番。待望のアオリイカシーズンの到来だ。エギング人口が爆発的に増え、陸っぱりでは釣果を出すことが年々難しくなってきている。やっぱり手がたくイカを手にするにはオフショアだろう。今回はそんなボートエギングの応用編を紹介したい。

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ボートや船からの【キャスティング&ティップラン】エギングを徹底解剖

オフショアエギングの魅力

ボートや遊漁船で楽しむオフショアエギングの魅力は、なんといっても陸っぱりからは狙えない手つかずのポイントを狙えること。

ボートや船からの【キャスティング&ティップラン】エギングを徹底解剖秋が深まると良型が増える(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

連日エギを見せられている堤防周りのアオリイカとは違い、素直にエギを抱いてくれるため、釣果は陸っぱりの比ではない。

キャスティングとティップラン

このオフショアエギングの代名詞ともいえるのが、ここ10年ほどの間に一気に浸透したティップランエギングだ。通常のエギでは攻められない水深20m以深のディープエリアを、重量級のエギを沈めて狙う。

ボートや船からの【キャスティング&ティップラン】エギングを徹底解剖ティップランはドテラで広範囲を探る(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

強いバットと繊細なティップを備えたロッドを使い、ティップに現れる変化でアタリを取るメソッドだ。今まで誰にも攻められなかった深場のイカはさらにウブで、このメソッドが普及してオフショアエギングの釣果が飛躍的に伸びたのは間違いないだろう。

そして従来のキャスティングのエギングは、陸っぱりのタックルをそのままに、文字通り水深10mまでの浅場をキャストして根周りや海藻周りに潜むアオリイカを誘い出す釣り方だ。

ボートや船からの【キャスティング&ティップラン】エギングを徹底解剖シャローはキャスティングで攻めるのが基本(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

陸っぱりとの違いは、船は足場が動くのでエギの着底が感知しにくいこと。そのためマスクシンカーやイトオモリなどで、エギを若干ウェイトアップさせ、着底をより確実に感知することが必要となる。

この2つのメソッドがオフショアエギングのメインとなるのだが、春の大型イカを狙うときはキャスティング、秋はティップランと大まかではあるが、使い分けられているように思う。

ティップランのメリット&デメリット

ティップランは前述の通り、水深20mより深場を攻めるのだが、船を風や潮に任せて流し、広範囲を探っていく釣りだ。メリットはやはり浅場以上に手つかずの深場を直撃して、よりウブなアオリイカにアプローチできること。

キャスティングでは分かりにくいと言われていたアオリイカのアタリだが、ティップランであれば繊細なティップ(穂先)にはっきり出るので、シャクったら乗っていた……なんてことはない。よってビギナーでも、簡単にイカを手にすることができる。

ボートや船からの【キャスティング&ティップラン】エギングを徹底解剖水面でのスミには注意(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

デメリットとしては、風がなければ釣り自体が成立しないということ。船が風で流れなければ、同じ場所でエギを落とし続けなければならないため、そこにいるイカを釣ってしまえば後は移動して探っていくしかなくなるのだ。

また逆に風が強すぎても、釣りにくい状況になる。船が流れる速度が速く、着底が分かりにくくなるのだ。着底を感知することがこの釣りの絶対条件となるため、ただでさえ重いティップラン専用エギをウェイトアップさせていく必要がある。