山形県南陽市に醸造所をもつGRAPE REPUBLICが、フラッグシップワイン「Cuvée Shinden(キュヴェ新田)2021」を発売した。
2019年ヴィンテージ以来、2年ぶりのリリースとなるだけに、ワイナリーファンからも期待が集まっている品だ。
フラグシップワイン「Cuvée Shinden 2021」が誕生
「Cuvée Shinden 2021」は、GRAPE REPUBLICの醸造所の所在地である新田(山形県南陽市)が名前の由来となっているオレンジワイン。
新田にある同社の1.6haほどの自社農園の中でも、専用の0.4haの畑で採れたブドウだけを使い、「Cuvée Shinden 2021」はつくられる。使用するブドウ品種は、デラウェアとナイアガラ、シャインマスカットの3種類だ。
新田の畑でブドウを収穫したあと、通常行う茎を取り除く除梗作業を行わずに全房を発酵。無清澄・無濾過で、酸化を防止するために添加される亜硫酸塩も使わず、ナチュラルさを大切にしている点もポイント。
その後、GRAPE REPUBLICの最大の特徴の一つである、地中に埋められた巨大な壺「アンフォラ」に3種類のブドウを入れて発酵させる。230日間もの長い時間をかけ発酵・熟成を行うことで、「Cuvée Shinden 2021」はフレッシ感と複雑さのあるワインへと仕上がった。
新田地区のテロワールを表現する1本
南陽市南部の新田地区のブドウだけを用いてつくられる「Cuvée Shinden 2021」は、まさにこの土地のテロワールを表現するワインと言って過言ではないだろう。
新田地区の同社の醸造所は、十分一山を登る鳥上坂の上にある。
新田は、古くからデラウェアなどの食用ブドウの栽培が盛んな地区だ。新田のブドウ畑がある十分一山の山裾は、大きな石や小石が多い土質で水はけが良く、ブドウの生育に適している。さらに、山を駆けあがる上昇気流によって風通しも良いため、病気にもなりにくくブドウ栽培に有利な環境だ。
この土地で採れた良質なブドウを用い、今年ようやくリリースに漕ぎ着けた「Cuvée Shinden 2021」。ワイン好きならば一度は味わってみてほしい逸品と言えるだろう。
(IKKI)