上田綺世 写真:Getty Images

 レアル・ソシエダ所属MF久保建英は、サッカー日本代表「森保ジャパン」招集による長距離移動に関する「正直きつい」発言で注目を浴びていた。そんな中、オランダ1部フェイエノールト所属FW上田綺世の長距離移動に同クラブ監督が言及。今後のポジション争いに影響を与える可能性を示唆した。

 久保は今月13日のカナダ戦を前に、所属クラブでの連戦やスペインから日本への長距離移動に対して「正直きつい」と発言。疲労の色を見せていたが、森保一監督はカナダ戦の前日会見で「選手は過酷な条件でも、覚悟持って招集に応じてくれている」と語るにとどまった。

 今月の代表活動には上田も参加。カナダ戦では出番がなかったものの、17日に行われたチュニジア戦では後半キックオフから出場。久保との連係プレーから何度もチャンスを作ったほか、ペナルティエリアでの囮の動きからFW伊東純也(スタッド・ランス)のゴールを演出している。

 森保ジャパンで更なる活躍が期待される上田だが、所属先のフェイエノールトではFWサンティアゴ・ヒメネスの控えに甘んじている。オランダメディア『サッカーニュース』によると、フェイエノールトのアルネ・スロット監督は「上田には時差ボケの影響がある。西から東へ飛ぶよりはまだマシだが…」と、代表招集による懸念材料に挙げている。

 一方、ヒメネスは先月の国際Aマッチデー期間中にメキシコ代表に招集。アメリカ国内で2試合を戦ったが、スロット監督はチーム復帰後の様子について「確かにヒメネスは(9月16日の)ヘーレンフェーン戦で本来のパフォーマンスを発揮できなかった。だが、トレーニング中に良い印象を与えている。なのでいつも通り(スタメンで)プレーする」と語っている。

 なお欧州組の長距離移動を巡る問題には、日本代表OBの城彰二氏も注目。「私もスペインリーグで経験したが、アジアに帰ってくるという部分に関しては、まずチームを離脱しないといけない。時差(の問題)もあるし、非常に良いチーム状況の中でも(代表戦での移動によって)コンディションを崩して、リーグで結果を出せなくなることもある」と、レアル・バリャドリードでプレーしていた時の自身の経験を語った上で「W杯予選では、国内組の底上げという意味でもいろんな選手を試す必要がある」と提言している。