長い歴史をもつビールコンテスト「International Beer Cup 2023(インターナショナル・ビアカップ2023)」でジャパネットウォーター社のビールが栄誉ある賞に輝いた。
同社が富士麦酒醸造所でつくるクラフトビール「Cleyera(クリエラ)~Sparkling Beer~」が10月1日(日)、スペシャリティセゾン部門で金賞を受賞。10月17日(火)から特別に「たべる。ジャパネット」公式サイトにて販売している。
醸造家・榊弘太氏が30年かけて生み出した「クリエラ」
「インターナショナル・ビアカップ」とは、ビール醸造業界の中で最も権威あるビールコンテストのひとつ。審査は厳格な基準のもと醸造者、銘柄を伏せた状態で行われ、世界各地から参加する醸造所がその技術と品質を競い合う。
今回、クリエラがエントリーしたスペシャリティセゾン部門は、エール系でベルギーの主なスタイルの一種であるセゾンビールを対象とし、フルーティーでスパイシーな味わいが昨今人気になってきているビールスタイル。
セゾンビールとはベルギー南部の農村地域で生まれたビールで、“作業途中の農民が飲むためのビール”として飲みやすいことが特徴。醸造家・榊弘太氏が現地でセゾンビールと出会い、その驚くほどの美味しさに感銘を受けたことが今回の物語の始まりだ。
しかし、セゾンビールは複雑な製法を用いるために手間がかかり、その希少価値ゆえに流通量が少なく高価。失敗時のリスクが重くのしかかり、醸造へのチャレンジは困難な道のりだったという。
さまざまな製法に挑戦しながら醸造を続けて30年。「美味しいビールをつくるには美味しい水が必要」という結論に至ったとき、ジャパネットと出会った。富士山のふもとからミネラル豊富な天然水を汲み上げ、徹底した衛生・品質管理で出荷を行う「ジャパネットウォーター富士山の天然水」。
同社の天然水へのこだわりと、新たな商品を開発したいという思いに賛同した榊氏はジャパネットへの入社を決める。50回以上の試作が繰り返され、30年前に思い描いたビールのイメージが具現化した。
ワイン酵母を使ったシャンパンのように飲みやすいビール
クリエラはビールが苦手な人にも飲みやすい、シャンパンのようなビールをコンセプトに開発された。
富士山の裾野の清涼な環境で、水・麦芽・ホップ・酵母とあらゆる原料・製法にこだわり抜き、香り高くキレのあるクラフトビールになっている。
醸造所のある山梨県はワインの名産地でもあることから、ビールに通常は使われないワイン酵母の活用を発想。地元のワイン醸造家との意見交換を重ねながら、特殊なワイン酵母を使ってビールを再発酵させる製法に取り組んだ。
「クリエラ」の名は醸造家である榊氏の名にちなみ、植物の榊の学名「Cleyera japonica Thunb」を由来としている。榊は神仏に捧げる常磐木の代表樹でもあり、「特別な日の特別なビール」というコンセプトにもマッチする。