「キャリアアップのために転職したい」「このままで将来大丈夫?」などの理由で、転職を考える人も多いだろう。その際、多くの人が利用するのが「転職エージェント」だ。
今回は、転職先を探すポイントや注意点などを踏まえて、転職エージェントの正しい選び方、おすすめ転職エージェント、失敗の避け方について解説する。
転職先を探す時のポイント5つ
転職を考えた時に真っ先に抑えたいポイントが5つある。転職成功率が大きく変わるので事前に把握しておこう。
希望条件に順位をつける
まず転職における希望条件に明確な優先順位をつけることだ。
下記は転職理由のランキングの上位3つである。
2位:昇進・キャリアアップが望めない
3位:社内の雰囲気が悪い
出典:doda「転職理由ランキング【最新版】 みんなの本音を調査!」
ただ闇雲に転職をするのではなく、まずはなぜ自分が転職したいのか、その理由に明確な優先順位をつけることが大切だ。
自己分析に力を入れる
次に重要なのが、自己分析に時間を設けることである。転職理由はもちろん、転職後、自分は何ができるのか、どのような職場がマッチするのかなど、自己分析から見えてくることも多い。
企業リサーチも大切だが、まずは自分を深く知ることが転職活動において忘れてはいけないポイントとなる。
転職理由を明確にする
ただなんとなく、漠然とした気持ちで転職活動を進めると失敗するケースが多いので要注意だ。
「今の職場が嫌だから」「もっと自分なら活躍できそうだから」など、深く転職理由を考えずに動き出すと、思い通りの結果にならないことが多いので注意しておきたい。
経験・実績の棚卸しをする
中途採用の場合、企業は原則即戦力を求めている。そのため、今までの経験を踏まえ、実績や成果など強みとなる部分を把握しておきたい。
募集要項や人事に対して、「この人を採用したい」と思ってもらえるよう、実績ベースでのアピールが鍵を握る。
自分に合う転職エージェントを見つける
最後にもっとも重要なポイントが、自分と相性の良い転職エージェントを見つけることだ。 転職エージェントは無料で利用でき、以下のようなサポートを受けられる。
- キャリアカウンセリング
- 非公開求人の紹介
- 書類添削・面接対策
- 年収交渉の代行
とくに、非公開求人の紹介は転職エージェントに登録した人のみが受けられるサービスのため、特別な企業を探しているのであれば積極的に紹介を受けると良いだろう。
転職先企業について調べておくべきこと
転職を成功させるうえで、自身の準備と合わせて転職先企業のリサーチも欠かせない項目となる。
主に会社の事情や都合など、自分で解決できない点は事前に調べておくことが重要だ。
離職率
まず転職先企業の離職率は把握しておきたい。
異様に離職率が高い企業は、内部になにかしらの問題があるケースが多いため、転職エージェントに事前に確認することをおすすめする。
評価基準
昇給・昇進に関わる評価基準においても事前リサーチが大切だ。
いくら成果を出していても、会社都合で昇進できないケースもゼロではないため、事前に調べておくと良い。
企業の成長性
今の業績だけではなく、中長期的な成長性も確認する必要がある。
そのためには、企業が属する業界全体を調査し、転職先企業の立ち位置など、俯瞰的なリサーチを進めることも大切だ。
中途入社の割合
自身が転職者として会社に加わるのであれば、中途入社の割合も把握しておきたい。
企業の中には新卒文化が根強く、中途入社だと立ち回りが難しいケースもゼロではない。そのため、わかるのであれば自力で探し、見つからなければ転職エージェントに問い合わせたい。
人間関係
5つ目のポイントは転職先の人間関係だ。入社後に人間関係の良くない職場だと発覚しても、最悪の場合取り返しがつかない。
実際の雰囲気やメンバーの特徴は入社までわからないものの、ある程度転職エージェントが把握しているケースも多いため確認すると良い。
転職探しで絶対にやってはいけない注意点
転職活動中に絶対やってはいけない注意点も存在する。
転職を成功させるうえで、下記3つの注意点が重要なので意識しておこう。
ネガティブな理由での転職
原則として「仕事がつまらない」「今の自分に合っていない」など、ネガティブな理由での転職は避けるべきである。
転職理由はなるべくポジティブなものを意識し、「転職先でしか叶えられない目標がある」「新たな領域に挑戦したい」など、転職することに意味を持たせた理由にしたい。
一切の妥協をしない
理想を突き詰め、完全に妥協しないで転職活動しても転職は成功しないだろう。
絶対に譲れない条件の上位3つ程度は妥協すべきではないが、優先順位の低い項目まで完璧に条件設定しようとすると、転職先が決まらないケースが多い。
年収だけに執着する
最後の注意点は、年収アップのみにとらわれて転職に踏み切ることだ。
たしかに年収アップは大切だが、労働環境や中長期的なキャリア・年収アップなど、全体像を見ないまま転職を進めることは大変危険である。
年収が高くても残業が多いと結果的に時給換算では低くなることも珍しくないので、事前に時間値の給与も計算しておくと良いだろう。
転職エージェントおすすめサイト3選
転職エージェントは転職を成功させるための強力な味方である。とくに以下3つの転職エージェントは人気が高いためおすすめだ。
doda…大手企業に転職したい人におすすめ
dodaは大手企業を中心に、企画職や営業など、ホワイトカラーの求人が多いことが特徴だ。
公開求人数 | 非公開求人数 | 対応エリア | 得意な業界 | おすすめの人 | サイト | |
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193,472件 | 41,013件 | 全国 | IT、営業、 企画職 |
大手企業へ転職したい人 | 公式サイト |
とくに若手歓迎の求人が多いことから、30代が歓迎される傾向が強いこともポイントである。
リクルートエージェント…転職が初めての人におすすめ
リクルートエージェントは、求人数が多く全業界を網羅しているため、選択肢や希望条件の多い人におすすめの転職エージェントである。
公開求人数 | 非公開求人数 | 対応エリア | 得意な業界 | おすすめの人 | サイト | |
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387,982件 | 273,735件 | 全国 | 全業界を網羅 | 転職が初めての人 | 公式サイト |
業界やジャンルを問わず業界トップクラスの求人数が多く、いくつかの求人を比較検討しながら転職活動を進められる。
マイナビエージェント…専門性を活かしたい人におすすめ
マイナビエージェントはITやバックオフィス、管理系など専門性の高い求人が豊富に揃っている。
公開求人数 | 非公開求人数 | 対応エリア | 得意な業界 | おすすめの人 | サイト | |
---|---|---|---|---|---|---|
非公開 | 非公開 | 全国 | IT、営業、 バックオフィス |
専門性を活かして 転職したい人 |
公式サイト |
即戦力を必要としている企業の求人が多く、経験やスキルなどが求められる傾向が高い分、年収や待遇なども高水準である。
転職エージェントは大切なパートナー
初めての転職も、転職に慣れている人も、転職エージェントは心強いパートナーとなる。
無料でさまざまなサポートを受け、転職成功率を上げてくれるため、相性の合う転職エージェントを見つけることが、転職成功の近道と言えるだろう。
著者・大里直也(HR専門ライター)
転職やキャリア、人材採用をメインに取材執筆。採用における戦略立案などのコンサルティングも手掛けており、転職ノウハウ・各種転職エージェント、サイトにも精通している。