「エメラルドナイツ」のユニフォームの色相から、国民党内の派閥と来年1月の総統選まで話が及んだが、常に中国からの圧迫に晒される台湾の総統に、最も求められる能力が「外交」であることは、ロルシ氏のいう通りだ。
が、英語のコミュニケーション能力が「外交」に必須かといえば、そうとは言えない。「一個の人間力」と「何を話すか」の方がより重要だからだ。だが侯氏が「02年合意」を是としながら「独立や統一の追求ではなく現状を維持する」というのは矛盾する上、後者は頼氏の主張と同じだ。
「92年合意」とは、台湾の国民党側の海峡交流基金会(海基会)辜振甫会長と中国共産党側の海峡両岸関係協会(海協会)汪道涵会長が、文化歴史と経済を梃に両岸の膠着状態を打開すべく、92年に香港で会談した際の合意だとされる。
それは、海基会が、両会は各自口頭で一つの中国の原則を主張すること(一中各表)に同意したと見なす一方、海協会は「両岸共に一つの中国の原則を堅持する」との部分に共通認識があっても、一つの中国の政治的な「一中各表」には互いの共通認識が至っていないと述べている、いわば同床異夢の合意だ。
言い換えれば「92年合意」の「一中各表」とは、北京は「一つの中国とは大陸で、台湾はその一部」と主張し、国民党は「一つの中国とは台湾で、大陸がその一部」と主張することを指し、民進党は「92年合意」の存在自体を認めていない。「現状を維持する」なら先ず「92号合意」は否定せねばなるまい。
来年の1月は世論調査の結果通り「緑」に落ち着くと思う。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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