ピットインのタイミングが明暗を分けたか？
9月17日（日）、宮城県のスポーツランドSUGOで、2023 AUTOBACS SUPER GT第6戦『SUGO GT 300km RACE』の決勝レースが行われた。
決勝日のスポーツランドSUGOは、曇り空ながら時折陽が差す陽気で、レーススタートの午後1時30分を前にして気温28度、路面はドライとなった。スタート前には宮城県警察の白バイ3台、パトロールカー2台の先導による交通安全啓発のパレードラップが行われた後、いよいよ決勝レースの火蓋が切って落とされた。
まずはポールポジションの＃96 K-tunes RC F GT3（新田守男／高木真一）がレースをリードし、これに＃20 シェイドレーシング GR86 GT（平中克幸／清水英志郎）、＃61 SUBARU BRZ R&D SPORT（井口卓人／山内英輝）、No.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT（吉田広樹／川合孝汰）が続く展開だ。
7周目になると＃96 K-tunes RC F GT3に＃20 シェイドレーシング GR86 GTが近づき、その後＃61 SUBARU BRZ R&D SPORTとNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GTも加わりトップ4が急接近する。ここに＃6 DOBOT Audi R8 LMS（片山義章／ロベルト・メリ・ムンタン）も入り5台によるバトルが繰り広げられた。そんななか、＃20 シェイドレーシング GR86 GTが＃96 K-tunes RC F GT3をオーバーテイクし、トップに浮上した。
23周目には、No.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GTがピットイン。これを機に各車が続々とピットインするが、39周目にピットに向かった＃56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R（ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ／名取鉄平）がGT500車両の＃100 STANLEY NSX-GT（山本尚貴／牧野任祐）と接触。＃100 STANLEY NSX-GTはスピンを喫しコース外側に出てクラッシュしたため、セーフティカーが導入された。ここで＃18 UPGARAGE NSX GT3（小林崇志／小出峻）もピットインしたが、赤旗が提示されてレースは一時中断となった。
レースは午後3時20分にセーフティカーランで再開したが、ここでトップに立ったのは、早めのピット作業を行なったNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT。2番手は＃56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rだったが、100号車との接触と、さらに赤旗中断時に破損部分に触れてしまったことで、2度のドライブスルーペナルティを受けてしまい、ポイント圏内から脱落してしまった。
これで2番手は＃18 UPGARAGE NSX GT3となり、トップを行くNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GTはポジションをキープして、ラストラップの最終コーナーを立ち上がる。しかし、ゴールライン直前でまさかのガス欠で突如スローダウン。ドライバーの吉田広樹はマシン左右に揺すりながら必死に前へ進める。しかしその脇を＃18 UPGARAGE NSX GT3が通過して、トップでチェッカーフラッグを受けた。
これで＃18 UPGARAGE NSX GT3の劇的な2連勝かと思われたが、レース後の再車検で最低地上高の違反と判定されて、なんと失格になってしまった。
この結果、No.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GTが、逆転の逆転で今季初優勝となり、ドライバーランキングでも＃18 UPGARAGE NSX GT3を抜いてトップに躍り出た。2位となった＃20 シェイドレーシング GR86 GTは、チーム初となる表彰台を獲得。3位に繰り上がったのは、＃6 DOBOT Audi R8 LMS（片山義章／ロベルト・メリ・ムンタン）で、今季2度目の3位獲得となった。
次戦はオートポリスで450kmの争いとなる。現状ランキングではNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GTが頭一つ抜け出したカタチになったが、まだまだ予断は許されない状況。果たしてどんな戦いが繰り広げられるのか楽しみになってきた。
フォト＝田村 弥／W.Tamura
文・CARSMEET WEB／提供元・CARSMEET WEB
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