2023JリーグYBCルヴァンカップの準決勝第2戦が10月15日に行われ、ホームの浦和レッズが横浜F・マリノスに2-0で勝利した。これにより2戦合計スコアが2-1となり、浦和の決勝進出が確定している。
第1戦を0-1で落とした浦和が逆転できた要因は何か。ここでは埼玉スタジアム2002で行われた第2戦を振り返るとともに、この試合で貢献度の高かったMF関根貴大の好プレーについてを中心に解説する。
浦和レッズvs横浜FM:試合展開
後半16分、浦和のDF荻原拓也が左サイドからシュート性のボールを相手ゴール方向へ蹴ると、こぼれ球に同クラブのMF早川隼平が反応。同選手がボールをコントロールしようとしたところ、横浜FMのDF永戸勝也にペナルティエリア内で倒され、浦和にPKが与えられた。
浦和のDFアレクサンダー・ショルツのPKは成功。その後もホームチームが攻め込むと、後半42分に荻原が繰り出したパスが、ペナルティエリア内にいた横浜FMのDF實藤友紀の腕に当たる。谷本涼主審によるオンフィールドレビュー(※)を経て、浦和にこの試合2度目のPKのチャンスが巡ってきた。
再びキッカーを務めたショルツがこの重圧に打ち勝ち、自軍に追加点をもたらす。アディショナルタイムに放たれた横浜FMのFW宮市亮の強烈なミドルシュートや、FWヤン・マテウスのクロスをGK西川周作が防いだことで、浦和が決勝への切符を手にしている。
(※)VAR(ビデオアシスタントレフェリー)の提案をもとに、主審が自らリプレイ映像を見て最終の判定を下すこと。
試合序盤を耐え忍んだ浦和
お馴染みの[4-2-1-3]の基本布陣で臨んだ横浜FMは、前半3分に浦和のハイプレスをいなす。アウェイチームのMF山根陸(2ボランチの一角)が、[4-4-2]の守備隊形で臨んだ浦和の2トップの間にタイミング良く立ち、味方DF上島拓巳からの縦パスを受け取る。その後MF水沼宏太(右ウイングFW)から左ウイングFWエウベルへロングパスが送られると、攻め上がった左サイドバックの永戸がゴール前にクロスを供給。このボールに水沼が反応しシュートを放ったが、浦和陣営にクリアされた。
前半12分の横浜FMの攻撃シーンでは、自陣でボールを保持した上島への浦和MF小泉佳穂の寄せやパスコースの限定が甘く、上島からFW西村拓真(横浜FMのトップ下)への縦パスが繋がってしまう。浦和は岩尾憲と安居海渡の両MF(2ボランチ)の背後を西村に突かれたが、その後関根がボールを回収したことで事なきを得た。
第1戦と同じく、浦和の前線からの守備には綻びが見られたものの、後方の選手たちが耐え忍んだことで勝利を手繰り寄せたとも言えるだろう。