ハマスが今回、イスラエルを襲撃した背景について、「イスラエルの情報機関の問題もあるが、サウジアラビアとイスラエルの外交正常化問題が大きな影響を与えていることは間違いないだろう。ハマスはイスラエルとの平和共存など願っていない。ユダヤ人を完全に抹殺したいのだ。サウジとイスラエルの外交関係はその意味で障害となるから、それを阻むために立ち上がったわけだ。サウジとイスラエル間の外交合意の中には、パレスチナ人にとってプラスの内容があったが、ハマスはそんなことはどうでもいいのだ」と強調した。
同氏はインタビューの最後の部分で、「イスラエルではポピュリストのネタニヤフ首相が長い間、国を分断し、国の重要な機関を弱体化してきた。国民が助けを最も必要としている時に自身のことに腐心していた。これがハマスの奇襲を可能にした原因だ。世界の民主主義国はイスラエルから教訓を読み取るべきだ。国がイスラエルのように分断していたならば、いつかはその代価を払わなければならなくなるのだ」と述べた。
ちなみに、ハラリ氏はレックス・フリードマン氏のポッドキャストでイスラエルの現状について、「問題が国家的、民族的なものだったら、妥協や譲歩は可能だが、信仰や宗教的な対立となれば、妥協が出来なくなる。イスラエルとパレスチナ問題は既に宗教的な対立になってきている。それだけに、解決が一層難しくなってきた」と主張している。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2023年10月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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