創業者の功績を称えた新作時計で、ブランドの歴史と美学を楽しむ。
ブレゲの「マリーン」コレクションに、この秋、ブランドの代名詞とも言える「トゥールビヨン」を取り入れたモデルが加わった。
「マリーン」コレクションにトゥールビヨンが追加
トゥールビヨンとは、科学と時計学に傑出した時計師、アブラアン-ルイ・ブレゲによって220年以上前に発明された機構のこと。
地球の引力は、時計の位置が変わるたびに時計の歩度に影響を与える。そのため「時計のムーブメントにとって引力は敵である」というのがブレゲの見解だった。
彼はこの問題を解決するため、脱進機をすべてキャリッジの中に組み込み、1分間で1回転させるというアイデアを思いつく。このメカニズムにより、誤差が相殺され、時計の精度はさらに向上することとなった。
80時間のパワーリザーブを実現
新たな「マリーン」コレクションの時計には、42.5mmのケースに自動巻キャリバー581が搭載されている。振動数は4Hzで、極薄ながら驚異的な80時間パワーリザーブを実現。
キャリバーには、耐腐食性や耐摩耗性に加え、磁場の影響を受けにくい特性を持つシリコン製のキャリッジとひげゼンマイを採用。これらのムーブメントはサファイア・ケースバックから見ることが可能だ。
香箱には羅針図が描かれ、プラチナ製ペリフェラルローターには、船の舵からインスピレーションを得たデザインがあしらわれている。船の甲板を思わせる畝(うね)模様のモチーフなど、典型的な「マリーン」コレクションの装飾も魅力的だ。
美しさと機能性を追求した時計
見た目の美しさも特筆ものだ。サンバーストで仕上げたダイヤルには、ローズゴールドモデルにはスレートグレー、プラチナモデルにはネイビーブルーが採用されている。
トゥールビヨンは5時位置に配置。チャプターリングはオフセンターに配置され、蓄光するアワーマーカーとブレゲ針と共に、美しいデザインと機能性を両立させた。
アブラアン-ルイ・ブレゲの科学的な知識と技術力の粋を、新作時計を通して感じたい。
(IKKI)