今年8月に行われた天皇杯4回戦・名古屋グランパス戦での暴徒化により、世間から批判を浴びている浦和レッズの一部サポーター。すでに日本サッカー協会(JFA)から無期限入場禁止処分を受けているが、日本代表OBからは「クラブがサポーターを守る」必要性を問う声が上がっている。
今年8月2日にCSアセット港サッカー場で開催された名古屋対浦和では、試合後に多くの浦和サポーターがピッチに乱入するなど暴徒化。暴力を振るうなど複数の違反行為があったとして、日本サッカー協会(JFA)はサポーター17名に対して国内開催の全試合を対象として無期限入場禁止を通達。浦和に対しては、2024年度の天皇杯参加資格はく奪という厳罰を科している。
世間をざわつかせたサポーターの暴徒化問題には、浦和OBの田中マルクス闘莉王氏をはじめ、多くのサッカー関係者が関心を寄せている。
そんな中、代表OBの城彰二氏も自身の意見を発信。今月15日の自身のYouTubeチャンネルを更新すると、「無期限入場禁止処分でスタジアムに入れなくなったというのは、ものすごく反省していると思う」と処分を受けたサポーターを思いやる。
そして「賛否あるかもしれないけど」と前置きした上で、クラブとサポーターの関係について以下のように述べた。
「JFAから処分されたけど、ずっと応援してくれたサポーターだから、そういう人たちをサポートするのもクラブのあり方だと思う。浦和を愛している人たちだから、チームと一緒に奉仕活動をやればいい。浦和レッズの会社がサポーターを見捨てるのではなくてね」
「JFAはトップだから、制裁を下さないといけない。けどクラブは違う。そこを踏まえて、俺はすべてのクラブ経営だと思う。選手もサポーターも、色々な人たちを守らないといけない」
ただ暴徒化で処分を受けた人々に対して、冷たい視線を送る浦和サポーターがいることも事実だ。今月4日開催のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)東地区グループステージ第2節ハノイFC戦では、埼玉スタジアムのゴール裏に「黒服は再発防止策を仲間に示せ」と書かれた横断幕が掲出。名古屋戦の暴徒化に関連したメッセージとみられるだけに、ネット上で賛同の意見が寄せられている。クラブが過ちを犯した人々に更生のチャンスを与えるべきか、議論が熱を帯びそうだ。