今年2月におしまれつつ急逝した笑福亭笑瓶(しょうふくてい しょうへい)さん。その落語家として足跡を記録した追悼盤CD「笑福亭笑瓶落語集」が、10月18日(水)に発売する。

同CDは、落語家・笑福亭笑瓶さんらしさが大爆発の私落語二席を収録。皆を楽しませ愛された姿を納めた記念の一枚となる。

笑瓶さんの落語家として足跡を記録した追悼盤CD

笑福亭笑瓶さんは、大阪芸術大学芸術学部文芸学科卒業後、笑福亭鶴瓶さんに師事し、付人としてタレント修行を開始。その中でMBS「突然ガバチョ!」「ヤングタウン土曜日」のレギュラーとなり関西で人気を博した。

1987年には、東京に拠点を移し、NTV「鶴ちゃんのぷっつん5」のウィッキーさん役、CX「ものまね王座決定戦」のサリーちゃんのよしこちゃんのものまねで絶大な人気を得た。その後、TBS「噂の!東京マガジン」、YTV「大阪ほんわかテレビ」でレギュラーを務めるなど幅広く活躍。

2000年代以降になると、師匠にならい落語の勉強を始め、天満天神繁昌亭の定席にも不定期で出演した。しかし、今年2月22日(水)午前、多くの人に惜しまれつつ、その人生の幕を閉じた。享年67歳だった。

そんな笑福亭笑瓶さんの落語高座を収録した追悼盤「笑福亭笑瓶落語集」が、10月18日(水)に発売になる。

笑瓶さんは、身の回りの出来事を語る私落語を創作。一門の落語会や弟子の笑福亭笑助との親子会、天満天神繁昌亭の定席に不定期で出演。口演数は多くはないものの、誰にでも好かれる軽妙なキャラクターを活かした高座を披露していた。

今回のCDには、残された数少ない音源の中から自身の入門当時を語った「ある日の六代目」、家族とのコミカルなやりとりを描いた「横山大観」を収録。

「ある日の六代目」は、34分32秒・2011年7月26日(火)の口演。「横山大観」は、34分52秒・2012年6月23日(土)の口演。ともにル テアトル銀座 by PARCOでの収録だ。

同CDのオールカラーブックレットには、高座写真や初出写真に加え、東京での活躍のきっかけをつくった盟友・片岡鶴太郎さんからの寄稿文、師匠・笑福亭鶴瓶からの追悼コメントも掲載。

鶴太郎さんは「帰り道にお客さんが幸せな気分になれる笑瓶落語を、もっともっと聞きたかったよ、笑ちゃん。」。そして鶴瓶さんは「笑福亭笑瓶という、いい噺家を輩出し、その形をCDに残せたのが本当に嬉しい。」と語る。

実に楽しそうに自由に語る姿が見えるような音源と貴重な写真の数々。同CDは、落語家・笑福亭笑瓶さんを存分に感じてもらえる内容だという。

落語家として、芸能人として、そして一人の人間として、たくさんの人に愛された笑瓶さん。その人物像を反映させる笑瓶落語を収めたCDは必聴モノだろう。

(高野晃彰)