フランスに本社を構えるExotec SAS(以下、Exotec)の100%子会社であるExotec Nihon株式会社は、2023年10月5日、Exotecの倉庫ロボティクスソリューションを採用した顧客拠点数が全世界で100を超えたことを発表した。

Exotec社は、APAC、ヨーロッパ、北米において拡大しているビジネスをサポートするため、2024年までに世界の従業員数を前年比約2倍に増やすことを目指している。

倉庫作業者の負荷を軽減

ExotecのSkypodシステムは、物流とロボット工学の融合による洗練された倉庫自動化システム(ASRS:商材の保管や管理、出庫等が自動化された倉庫)である。刻々と変化するサプライチェーンの需要に対応することができ、数か月という短期間で導入することが可能だ。

同社では、倉庫作業を効率化し、耐障害性や回復力を高めることで、倉庫作業者の負荷を軽減し、労働条件を向上させるフレキシブルな倉庫システムを構築することを目的として、最高性能のハードウェアとソフトウェアを組み合わせている。

自律移動ロボットが効率稼働

Exotecでは、Skypodと呼ばれる自律移動ロボット(AMR)が稼働する。トレイに収納された商材を保管棚から取り出し、ピッキングステーションまで搬送してオペレーターの注文処理をサポート。優先度の高いオーダーを判断する機能も搭載されており、迅速かつ効率的なオーダー処理が可能となる。

また、Skypodロボットは、人のいない環境下で動作することから、倉庫内で作業者と衝突するなどといったリスクを軽減。現場の生産性を飛躍的に向上させることができるという。

なおSkypodの追加・削除は数分で完了できるので、オペレーションが変化したときにも稼働中のシステムを止めることなく拡張することが可能。Skypodをレンタルするなどしてビジネスニーズの変化に応じてロボットを簡単に追加し、処理能力を強化することができる。繁忙期や在庫の多い時期、ビジネスの立ち上げ時などに素早く対応することができそうだ。

床から天井まで倉庫を隅々まで活用

Skypodシステムの保管棚は、最大高12mなので床から天井まで倉庫のスペースを隅々まで活用し、高密度保管を実現できる。

さらにSkypodは秒速4mで走行する高速性も兼ね備えており、最大荷重30kgの商材を3次元の立体走行で搬送することが可能だ。非効率的な商品の掘り起こしや積み上げを行う必要がない。

低温(0°C)から常温(32°C)の環境に対応し、5分の急速充電で1時間の稼働が可能だという。