山田新(川崎フロンターレ)

昨シーズンは2位でリーグ終えた川崎フロンターレ。王座奪還と意気込んだ2023シーズンだったが、開幕前から怪我人が相次ぎ、なかなかベストメンバーを揃えられないまま中位でシーズン終盤を迎えている。しかし、そんな川崎でルーキーながら存在感を放っているのがFW山田新(桐蔭横浜大卒)だ。

FW小林悠、FWレアンドロ・ダミアンら攻撃陣の軸が怪我で出場できない中、山田は25試合に出場。ユース育ちのFW宮代大聖と前述2人の留守を守ってきた。25試合中先発はわずかに9試合のみだが、ここまで4ゴールを挙げ苦しむチームのため貢献してきた。クロスに対するポジショニング、背後を取るスプリント、エリア内で強引にシュートに持ち込む強さなど動きの1つ1つが実にストライカーらしい。

現在の川崎は、ベテラン選手たちが怪我からの復帰を果たしつつあることに加え、夏には元フランス代表のFWバフェティンビ・ゴミスが新戦力として加入しており、ルーキーの山田が出場機会を得ることは一層難しくなっている。しかし、川崎の下部組織育ちの山田にこそ、不振のチームを救う役割を担ってほしいものだ。

京都サンガ DF福田心之助 写真:Getty Images

福田心之助(京都サンガ)

大卒ルーキーながら、今2023シーズン京都サンガの開幕スタメンでデビューを飾ったDF福田心之助(明治大卒)。その後は長くリーグ戦のピッチから遠ざかっていたが、DF白井康介がFC東京へ移籍したことで一気に序列が上昇。福田が右サイドバックに定着し、7月16日の第21節名古屋グランパス戦(2-1)以降はスタメンでフル出場を続けている。

福田の魅力は何といっても積極果敢な攻撃参加。オーバーラップやボールを保持時の縦への突破、鋭いクロスと多くのプレーで迷いのない姿が見て取れる。実際ここまで挙げた2ゴールからもその思い切りの良さが見られ、特に第12節横浜F・マリノス戦(1-4)で決めたミドルシュートは、こぼれ球をダイレクトに蹴り込むと言う豪快なものだった。

現在、京都は15位。降格圏(最下位)との勝ち点差は10あるものの、2年連続で下位に沈んでしまっていることは決して本意ではないだろう。とはいえ上位との勝ち点差も詰まっており、残り5試合の結果次第ではトップハーフも十分に狙える。主軸の1人であった白井の移籍という衝撃的なニュースで始まった後半戦だが、最後にチームが次年度に向けて上を向けるかどうかは、右サイドバックの後任である福田の活躍次第と言っても過言ではないだろう。


横浜FC MF近藤友喜 写真:Getty Images