だから、米国などに移民したキューバ人が国にいる家族に仕送りする送金が、キューバ政府にとっても重要な外貨獲得源となっている。何しろ、キューバでその受け取りは政府の公的企業ガエサ(gaesa)が一括して担っているからである。これによってガエサは手数料を稼ぐことができる。ガエサが入金する年間総額はGDPのおよそ3%に相当するという。

しかし、この総額はパンデミックの前の2019年と比較して現在まで凡そ45%減少しているという。例えば2019年の入金総額は37億1600万ドル。2020年は23億4800万ドルと現在まで入金総額が減少している。(9月28日付「ABC」から引用)。しかし、1993年から現在までの外国からの仕送り総額は522億5000万ドルという多額に達している。

キューバの社会主義体制が国の発展を阻んでいる

キューバの経済成長には民間事業の発展しか救いの道はないと政府も知っている。ところが、政府が経済成長に干渉しようとする社会主義体制のシステムから離れることができないのが現状だ。

それを裏付けるかのように、アレハンドロ・ヒル経済相は国民を前にして、「政府を信頼し、唯一の解決への道は改革と社会主義だ」と時代錯誤なことを述べているのである。

また同時にキューバの経済が置かれている現状は米国の制裁が理由だとも表明して政府の責任を回避しようとしている。

唯一キューバを悲惨な状態から救い出すには現在のキューバの政治体制を変えるしかないのであるが、現在もカストロ体制化の現状では不可能であろう。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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