つまり、人類全体への影響は小さいものになりそうですが、大きなインパクトを与えるのは特定の業種になりそうだということです。
ホワイトカラーの最高峰ともいうべきマッキンゼー・グローバル研究所も言うように、
これまで4分の1とか3分の1とかしかオートメーション化されていなかっ大学院修士課程以上や4年制大学卒の仕事が一挙に50%台後半から60%までオートメーション化されてしまうというのだ。
知的能力を必要とするとされてきた仕事をしてきた人たちの中で、「紋切り型の知的ではない仕事しかできなかかった人たち」がふるい落とされるということになります。
これまた知的労働の極北であるゴールドマン・サックスの推定によれば、高給取りを中心に就業者の約4分の1が人員整理の対象になる一方、今後世界GDPは生成AIがなかった場合より約7%高くなるそうです。その中であげられている人員削減の恐れが少ない業種が今後の職業選択の方向性を占っているようです。
人員削減の恐れがいちばん少ないのは解体・整地作業従事者だという事実と考え合わせると、これは日本経済にとって大変有利な兆しだと思う。
わかりやすく言えば「若者よ、大工仕事を覚えておけ」(若者に限らないかもしれない)ということになります。
これはしっかりと覚えておいたほうがいい警告です。21世紀中盤にかけて人類に仕事の楽しさが戻ってくるかもしれません。
上記の事例に限らず、ビジネス・日常生活・芸術といったさまざまな視点から生成AIを分析し、その将来性を考えるヒントが、その軽妙洒脱な筆致とともに得られることでしょう。

ebrublue10/iStock
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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