赤地に白の「Gマーク」で広く知られるグッドデザイン賞。1957年に創設された日本で唯一の「総合的なデザイン評価・推奨のしくみ」で、60年以上にわたって優れたデザインを表彰してきた。

このたび長崎県五島市のリゾートホテル「五島リトリート ray by 温故知新」が受賞。周囲の景観と一体化したデザインと、驚きに満ちたゲストのアライバルエクスペリエンスが高く評価された。

スモールラグジュアリーホテル「五島リトリート ray」

2022年8月30日(火)に開業した「五島リトリート ray by 温故知新」は、部屋数26室のスモールラグジュアリーホテルだ。

運営するのは、スタジアム一体型ホテルのプロデュースなど「旅の目的地」になる個性派ホテルを各地に展開する「温故知新」。今後、9つ目のホテル「Cuvee J2 Hotel Osaka by 温故知新」の新規開業を予定する。

「五島リトリート ray by 温故知新」の魅力は、何と言ってもその贅沢な立地と、地理的特徴を活かしたデザインだ。

施設が位置するのは、五島のシンボル「鬼岳」の噴火により形成されたと言われる溶岩海岸を見下ろす高台。内装設計とデザインを手掛けた橋本夕紀夫氏がテーマに掲げたのは「The view」だ。

どこまでも続く美しい海景、身体を包み込む海風。鐙瀬(あぶんぜ)エリアならではのダイナミックで雄大な自然が主役となるような意匠が館内にちりばめられている。

ポイントとなっているのは組積造建築をイメージさせる厚みある壁柱やアーチ窓、壁面のレリーフ等のアイコニックなディテール。

また、特殊加工のアルミパネルを使い、外の景色をぼんやりと映り込ませ水平線や外の景色をロビー内に取り入れた。

全室海に面した客室は7.4mのワイドスパンとフルハイトサッシを採用し、テラスには露天風呂を配した。

これらの特徴を審査委員は「地域活性化のシンボルとして計画されたこのホテルは、地域創生のみならず、国立公園のワイズユースとして日本の新たなリゾートを定義している」と評価。

周囲の環境に配慮した外観デザインも「海から見上げた時には島の稜線を決して乱さない配置でそっと建物を置いた」と注目する。「過剰な飾りを排除し、シンプルにアーティスティックな自然に向き合う客室は潔く、真の大人のリゾートとして美しいデザインである」と評価コメントは結ばれている。

悠久の海の景色に溶け込む本格リゾートが、開業から1年を経て専門家たちに高く評価された。その価値は本物だ。

五島リトリート ray by 温故知新
所在地:長崎県五島市上崎山町2877
アクセス:福江空港から車で約10分/福江港から車で約15分

(SAYA)