もしもの時のための生命保険。使う機会がないに越したことはないが、人間はいつか必ず亡くなる時がくる。大切な人が亡くなった後も、残された家族の生活は続いていく。子どもの教育資金や結婚費用のほか、残された配偶者の老後資金も必要だ。そのために必要なお金として保険金を受け取るために、請求手続きの流れを知っておきたい。

生命保険の保険金を請求する前に準備しておきたいこと

生命保険の保険金受取の流れは、どこの保険会社でもほとんど同じだ。被保険者が亡くなるなど保険金支払事由が発生したら、まずは保険会社に連絡を入れる必要がある。連絡先は担当者でもいいが、コールセンターに連絡するのが確実だろう。その時、以下の事項について保険会社から聞かれるため、準備してから電話するほうが手続きはスムーズに進むはずだ。

  • 保険証券番号
  • 亡くなった人(被保険者名)の名前
  • 亡くなった日
  • 死亡原因(病死、事故死、自殺など)
  • 死亡状況(病名、事故状況など)
  • 保険金受取人の名前や連絡先
  • 連絡した人の名前や連絡先
  • 亡くなる前の入院や手術の有無

    その後、数日から1週間ほどで手続書類が届くので、請求に必要な書類を準備して返送すればいい。

保険金の請求時には保険契約が複数ないか確認する

同じ生命保険会社で複数の契約をしている場合は、すべての保険証券を手元に用意してから電話しよう。請求漏れを防ぐために、保険会社から確認されることがあるからだ。

もし聞かれなくても、請求時には他に保険契約がないかどうかの確認は忘れずに行いたい。

生命保険金の請求に必要な書類は3つ

生命保険の保険金請求にあたって準備する主な書類は、以下のとおりだ。

  • 死亡診断書または死体検案書のコピー
  • 保険金受取人の本人確認書類
  • マイナンバー

    実際に必要な書類は保険会社や請求内容によって変わるので、保険会社の指示に従って用意しよう。書類の記入事項に誤りがあると保険金支払いが遅れるため、提出前に再度内容を確認したい。

生命保険金の支払いは5営業日以内

保険金支払いの期限は、約款で定められている。通常は、請求書類が保険会社に到着した翌日から5営業日以内に支払われる。期限を過ぎて保険金が支払われるケースはほとんどないが、仮に過ぎた場合は、その分の利息を加算して保険金が支払われる。

生命保険の保険金請求の時効が成立している場合

家族など近しい人が亡くなった時は、葬儀準備に追われたり心情的に不安定になったりして保険のことまで気が回らないかもしれない。そんな時は、すぐに保険金請求をする必要はない。

保険金請求には時効があり、請求できるようになった時から3年を経過するまでに請求する必要がある。金銭的に困っていないなら、身の回りのことが落ち着いてから保険金を請求しても十分間に合う。

仮に保険金を請求せずに3年が過ぎてしまっても、保険会社に連絡してみよう。理由によっては、時効成立後でも保険金が支払われることがあるからだ。保険金は亡くなった人が残してくれたものなので、請求手続きはしっかり行うようにしたい。

生命保険の保険金は残された人たちにとって大切なお金

生命保険はもしもの時の備えであり、残された家族の生活を支える大切なお金だ。もしもの時は葬儀費用など、すぐにお金が必要になることもあるため、いざという時のために保険金請求の流れを正しく把握しておこう。

文・國村功志(資産形成専門ファイナンシャルプランナー)
 

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