北朝鮮の国旗 写真:Getty Images

 北朝鮮代表は第19回アジア競技大会(杭州アジア大会)男子サッカー競技の準々決勝で、U22日本代表選手に対するラフプレー、日本代表スタッフや審判への威嚇行為で批判を浴びている。そんな中、米メディアが大会閉幕後に、他競技も含めた北朝鮮の成績と選手の振る舞いが対照的だと報じている。

 北朝鮮は背後からのスライディングタックルをはじめラフプレーを連発したほか、スムーズに飲料水の入ったペットボトルを渡さなかった日本のスタッフに対して、左手を挙げて殴ろうとする愚行も。主審は同国代表に計6枚のイエローカードを提示した。

 また試合後には、MF松村優太(鹿島アントラーズ)の決勝ゴールに繋がったMF西川潤(サガン鳥栖)のPK判定を巡り、北朝鮮の選手たちが声を荒げながら審判団に抗議。主審を追い回すDFキム・ギョンソクなど一部選手を警備員が制止する事態に発展していた。

 反スポーツ行為で波紋を呼んでいる北朝鮮だが、今大会では金メダル11個、銀メダル18個、銅メダル10個を獲得。金メダルの数では10位であるが、日本の52個(2位)には及ばなかった。ただそれでも北朝鮮のメダル合計枚数は、2018年の前回大会よりも37個から増加している。

 米ラジオ局『ラジオ・フリー・アジア』は「アジア競技大会で10位の北朝鮮、成績とマナーは反比例している」と見出しをうち、「北朝鮮にはスポーツマンシップが欠如している」と批判。

 射撃競技の表彰式で優勝した韓国代表選手団との握手や記念撮影を拒否したことを紹介した上で、男子サッカー競技準々決勝の日本戦における暴挙について「PKの判定を巡って、一部の北朝鮮代表選手が主審を押すなど脅威的な行為に及んだ。試合中にも日本代表スタッフに対する暴力的なシーンがあった。北朝鮮代表選手は、10試合の出場停止処分を受ける見通しだ」と綴っている。