ローミング費用を減らす効果も期待

 ITジャーナリストの山口健太氏はいう。

「楽天モバイルはKDDIとローミング契約を結ぶことで全国にエリアを確保しつつ、自社で基地局の設置を進めてきました。現在は大手3社に匹敵する人口カバー率99%で『最強』をアピールしているものの、KDDIのプラチナバンドによるところも大きく、楽天が使用する1.7GHz帯ではつながりにくい場所が残っていると考えられます。その楽天が自社でプラチナバンドを獲得できれば広告などでアピールできますし、赤字の原因の1つであるローミング費用を減らす効果も期待できます」

 課題もあるという。

「今回割り当てられる帯域は上り下りがそれぞれ3MHz幅で、通常より狭いものになっています。当面は問題ありませんが、楽天の契約者数が今の2倍くらいの規模になる頃には足りなくなる恐れがあります。また、基地局は既存のものを利用することでコストを抑える方針ですが、1.7GHz帯に最適化された基地局にプラチナバンドを実装したとしても、すぐに効果を実感できるかは未知数の部分があります。

 ソフトバンクは2012年にプラチナバンドを獲得した後も、エリアが狭いというイメージを覆すのに何年もかかりました。同様に、楽天のつながりやすさが劇的に改善したとしても、それが世の中に認められるまで時間を要するかもしれません」

(文=Business Journal編集部、協力=山口健太/ITジャーナリスト)

提供元・Business Journal

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