U23韓国代表は今月7日、第19回アジア競技大会(杭州アジア大会)男子サッカー競技の決勝でU22日本代表に2-1と勝利。兵役免除が話題を呼ぶ中、A代表率いるユルゲン・クリンスマン監督は兵役免除効果によるAFCアジアカップでの好成績を期待しているようだ。
U23韓国代表は今大会優勝により、MFイ・ガンイン(パリ・サンジェルマン)をはじめA代表招集歴のある一部選手や、FWチョ・ヨンウクなど韓国国軍傘下の金泉尚武に所属する5選手も兵役免除に。試合後、日本では「韓国代表選手が一生懸命戦った理由は、兵役免除のため」といった反応が見られた。
この日本国内の論調に対して、韓国メディア『OSEN』は「日本のサッカーファンは、日韓戦の敗北を正しく受け入れていない。兵役免除が韓国代表選手たちにモチベーションアップに繋がったのは事実だが、それが全てではない」と反発。
U23韓国代表のファン・ソンホン監督も、日本戦後のインタビューで兵役免除に関する質問に対して「兵役免除に関しては、また別の問題だ。(ユニフォームの)胸に韓国国旗をつけてプレーするのであれば、国のためにベストを尽くすことが最も重要だ」と不快感をあらわにしている。
しかしクリンスマン監督は来年開催のアジアカップにむけて、兵役免除を前向きに捉えている模様。韓国メディア『スポータルコリア』によると、同監督は今月9日の記者会見で以下のようなコメントを残したという。
「各年代の代表チームの試合をたくさん見て、韓国サッカーに対する理解が深まるとともに、チームマネジメントや選手個々の能力に対する意識が高まった。兵役免除の重要性をあまり理解していなかったが、(兵役による)ストレスや大変さを感じた。だからこそ、杭州アジア大会で優勝して嬉しい」
「兵役免除はアジアカップ優勝に向けてモチベーションを高める上でとても重要と思う。情熱を持って準備しているが、開幕まであと3か月とあまり時間がない。ベストメンバーで臨むことが大事だ」
なお韓国のA代表は、今月開催の国際親善試合でチュニジア代表やベトナム代表とマッチメイク。アジアカップのグループステージではバーレーン、ヨルダン、マレーシアと対戦するが、クリンスマン監督は「アジアカップの決勝でも日本と対戦して優勝したい」と意気込みを語っている。