ユルゲン・クリンスマン監督(中央)写真:Getty Images

 U23韓国代表が第19回アジア競技大会(杭州アジア大会)男子サッカー競技の決勝でU22日本代表を下したことにより、韓国ではAFCアジアカップでの“打倒日本”にむけて士気が高まっているようだ。韓国のA代表率いるユルゲン・クリンスマン監督が、AFCアジアカップでの日韓戦を熱望。森保ジャパンに宣戦布告した。

 カタールW杯ベスト16の韓国は今年2月のクリンスマン監督就任以降、国際親善試合6試合で1勝3分2敗。今月9日に日本代表がドイツ戦で4-1と勝利すると、『朝鮮日報』をはじめ複数の韓国メディアが「日韓サッカーの差がさらに広がった」と悲観的な見方を示していた。

 MFイ・ガンイン(パリ・サンジェルマン)をはじめA代表招集歴のある一部選手もメンバー入りしたU23韓国代表が杭州アジア大会で日本を下すと、韓国国内の世論が一変。

 韓国メディア『OSEN』は「日本のサッカーファンは、日韓戦の敗北を正しく受け入れていない。兵役免除が韓国代表選手たちにモチベーションアップに繋がったのは事実だが、それが全てではない。日本が敗れた原因を探すより、韓国の勝利が不当だという内容が大半を占めていた。実力差を認めることができず、言い訳を作っている」と綴るなど、日本への挑発的な論調も目立っている。

 韓国のA代表は今月開催の国際親善試合でチュニジア代表やベトナム代表と対戦。韓国メディア『スポータルコリア』によると、クリンスマン監督は今月9日の記者会見で、日本代表に対するライバル意識について以下のように語ったという。

 「私がアメリカ代表を率いていた時のメキシコ代表との関係に似ていると思う。日韓戦でこそ、相手との技術の差を感じることができる。いつしかメキシコはアメリカを恐れ、認めるようになった。負けても、ライバルと競り合うことで得るものがあるはずだ」

 「負けるリスクはあるかもしれないが、自ずと結果はついてくる。我々は結果を恐れてはいけない。(杭州アジア大会と同じく、)アジアカップの決勝でも日本と対戦して優勝したい」

 来年1月開幕のAFCアジアカップでは、日本がグループDでイラク、ベトナム、インドネシアと同居した一方、韓国はグループEでバーレーン、ヨルダン、マレーシアと対戦。両国代表がグループ首位で決勝トーナメントへ進出した場合、準決勝までに対戦することはない。

 なおクリンスマン監督は今年8月にも「できるだけ早く日本とマッチメイクしてほしい。日本とは毎週のように試合したい」と、日韓戦開催への執着を見せていた。これに対して、日本国内では日韓戦に対する否定的な反応が多く見られている。