デュビア(dubia)とはラテン語で「疑い」を意味する。そして5人のデユビア枢機卿、ドイツのウォルター・ブランドミュラー枢機卿、米国のレイモンド・バーク枢機卿、メキシコのフアン・サンドバル枢機卿、ギニアのロバート・サラ枢機卿、元香港司教ジョセフ・ゼン枢機卿がフランシスコ教皇に質問状を起草した。起草者のうち2人は、2016年4月に教皇が再婚した離婚者に聖体拝領を認めると発表した際、デュビアを送ったことがある。当時の起草者は、バーク枢機卿とブラントミュラー枢機卿の2人の他、カルロ・カファラ枢機卿とヨアヒム・マイスナー枢機卿だ。いずれも保守派枢機卿として知られている。

5人の枢機卿から提示された5つの疑義に答えたフランシスコ教皇(2023年10月2日、バチカンニュースから)

5人の枢機卿が7月15日にフランシスコ教皇に5つの質問を送ったが、それはカトリック教会の信仰の中心的な問題点について、教皇から明確な回答を得るためだ。バチカンの信仰委員会は2日、5人の枢機卿の質問と教皇の回答をウェブサイトに公開した。

通常、Dubiaの質問に対して、「はい」または「いいえ」の形式で回答が求められるが、フランシスコ教皇はそれを避け、文章で回答している。教皇自身、「質問に対し直接回答することは賢明ではないが、世界シノドの開催が差し迫っているため、即回答した」と説明している。以下、バチカンニュースの独語版記事(10月2日)からその概要を紹介する。

【質問1】現在の文化的および人類学的変化に照らして神の啓示を再解釈する必要があるという主張について。教会における神の啓示は現代の文化的変化に従って、またこれらの変化が促進する新しい人類学的視点に従って再解釈されるべきか。あるいは、神の啓示は永遠に拘束力があり、不変であるのか。

【回答】「再解釈する」という言葉にどのような意味を持たせるかによって決まる。「より良く解釈される」という意味で理解される場合、この表現は有効だ。文化の変化や歴史の新たな挑戦は啓示を変えるものではないが、その溢れんばかりの豊かさのある側面をよりよく表現するよう私たちを刺激する可能性がある。だから、神の言葉の新しい解釈への懸念を解消すべきだ。例えば、聖書の中の奴隷制や女性に関するテキストについても、文化的な変化は神の言葉を変えるのではなく、それをより明確にする可能性を提供する。これは教会の歴史の中で何度も起こってきたことだ。

「変えることができないものは、すべての人の救いのために明らかにされたものだけだ。教会は、救いに不可欠なものと、この目的に二次的またはそれほど直接関係のないものとを常に区別しなければならない。聖トマス・アクィナスが言ったことを思い出したい。「細部に至るほど、不確実性は増大する」