今夏の暑さと少雨で見た目に難があり、一般発売できない「訳あり」の山梨県産モモを活用したビール「7種の桃のエール」が神奈川県内の直営店やイベントで限定販売されます。
販売するのは、同県厚木市に本拠を構える地ビール製造のサンクトガーレン。
同市の玄関口である本厚木駅北口の直営店や、横浜市や厚木市でそれぞれ開催されるビールの祭典「オクトーバーフェスト」で売り出すそうです。
ビールグラスをかたむけながら、食品廃棄物を減らすSDGs(持続可能な開発目標)に思いをめぐらす1杯にもなるかもしれません。
7種類のモモを使って醸造
限定販売となった「7種の桃のエール」は、訳ありのモモを活用しているため、白凰・夢しずく・あかつき・まどか・川中島・ゆうぞら・さくらーーといった7種に上る品種のモモを使用。
皮と種を取り除き、ピューレ状に加工後、ビールのベースとなる麦汁を投入して醸造しているといいます。
1回の醸造で500キロのモモをたっぷりと使用。香りも味わいもモモ感いっぱいのビールで、同社は「ただ甘いだけではなく、桃のタネ付近の酸味も感じられ、生の桃を丸ごとかじったようなビールです」としています。アルコール度数は5.5%。
モモを使ったビール自体は2011年から不定期に醸造・販売しているそうで、規格外品となったモモを活用しています。
2023年は特に生産現場で高温と少雨が影響し、例年より多くのモモが規格外となった経緯があるそうです。
実が大きくならなかったり、逆に肥大化して望ましくない見た目になってしまったりといったことが相次いだとのこと。
そのままでは家畜のえさや廃棄にまわされるとのことで、ビールへの活用はモモ農家にとっても喜ばれているそうです。
横浜・厚木のイベントにも登場
7種の桃のエールが販売されるのは、神奈川県厚木市の本厚木駅北口そばにある同社の「サンクトガーレン タップルーム」。
このほか、10月15日(日)まで横浜赤レンガ倉庫のイベント広場で開催される「横浜オクトーバーフェスト」、10月6日(金)から15日まで厚木市の厚木中央公園で開かれる「厚木オクトーバーフェスト」でもそれぞれ限定販売されます。
サンクトガーレンは日本国内で地ビールが解禁される前から、米国で小規模ビールの製造販売を手がけていたといい、業界内では「地ビール0号」と呼ばれることもあるそうです。
王道のビールをはじめ、焼きリンゴを使ったアップルパイ風味のエール、バレンタイン限定のチョコビールなど個性豊かなクラフトビールを多く発信しています。