個人的にはこのディンキー製が最も精巧で最高傑作
今回は、フランス・ディンキー No.503 ポルシェ・カレラ6のご紹介です。
資料によると1967年から1971年まで生産されたとありますが、私が本格的にミニカーコレクションを始めた1971年の中学1年生当時でも、既に店頭から姿を消していたミニカーでした。
そして1978年頃専門店にてプレミアム付き価格で購入したものの、その後訳あって惜譲してしまい、その後縁あって買い戻したミニカーです。
実車は、前モデルの904が100台生産のGTホモロゲーションモデルとして、路上走行も可能なGTであったのに対し、カレラ6(906)は、1966年にグループ4 スポーツカーの2L以下のS2クラス・カテゴリーとして最低生産台数50台をクリアーして、承認された純レーシングカーでした。
1966年のタルガ・フローリオでの総合優勝の他、メジャーレースでのクラス優勝を多数達成し、グループ4スポーツカー選手権S2クラスを制した当時無敵のレーシングカーでした。
我が国では、完成直後の富士スピードウェイで行われた1966年の第3回と1967年第4回日本グランプリにて、出場したカレラ6をテレビで見た記憶があり、特に第4回日本グランプリにて、生沢 徹選手がカレラ6で優勝した場面を見て以来、カレラ6と生沢選手のファンになった記憶があります。
その後1968~1969年頃当時の小学校4~5年生の頃、テレビで放映された日本グランプリに感化されたクルマ好きの友人達の間でスロットカーブームが再燃し、未だ残っていたサーキット場で売れ残っていた、国産スロットカーの中でも、非常に高価であったものの高性能であったFT-36Dモーター搭載のタミヤ製カレラ6をやっとの思いで購入して友人達とのスロットカー・レースに挑んだ記憶が蘇りました。
また、今から30年以上昔、仕事で生沢 徹氏と初めてお会いする機会があり、当時カレラ6のお話しを伺った時はとても感激した記憶があります。
話をミニカーに戻しますが、当時のカレラ6のミニカーは、コーギー、マーキュリー、ソリド、ガマ製等が販売されましたが、個人的見解としては、このフランス・ディンキー製が最もリアルで精巧な作りとして、カレラ6の最高傑作だと思います。
地を這う程のとても低い車高、リアルなボディプロポーション、プラスチック製ながら精巧に再現されたスチールホイール、フロントフードを脱着すると確か、スペアタイヤとラジエターが再現され(今回入手した個体はフードが固く外れないため、以前所有していたミニカーの記憶です。)、ルーフとガルウィング式のドアをクリアーのプラスチックに着色して再現しているため、ピラーが実車同様に細く再現され更に左右のドアが上下に開閉可能。エンジンカウルの開閉、リアルなフラット6のエンジンルームの再現がされています。
但し、非常に繊細な作りのため、プラスチック製のドアヒンジの取り扱いには開閉時に注意が必要で、また、プラスチック製フェンダーミラーやテールランプの欠落も多く見受けられます。今回ご紹介する個体も、左フェンダーミラーを失っており、右側のオリジナルフェンダーから型取りして復元。また失われていた両方のテールライトは、マーキュリー製のカレラ6から型取りして補修したミニカーです。最後にポルシェ・カレラ6のミニカーは、私の年代にとって小学生当時の思い出が蘇るタイムマシーンのようなものなのです。
最後に、写真のミニカーのボディ塗装のダメージは、半世紀以上生き永らえて来たことによる経年変化の証として、ご了承下さい。
文・丸餅博士(門内 文明)/提供元・CARSMEET WEB
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