
画像:アンディ・ビッグス議員の投稿、解任動議提出を示唆?(出所:Rep. Andy Biggs/X)
振り返れば1月、下院議長選が4日にわたり15回に及んだ当時、水面下でマッカーシー氏と造反した保守強硬派との間で下院の歳出議事運営などをめぐり、妥結に至っていました。下院議長をめぐっては「下院議長の解任動議をめぐる提出要件を引き下げ」で合意。下院議長の解任動議の提出要件については、2019年に民主党下院が変更した「党議または会議の指示によって提出された場合」から、保守強硬派の要求を呑み1人へ戻すことが盛り込まれました。
しかし、下院議長が罷免されるには「過半数の可決」が必要です。今回、下院がつなぎ予算案を超党派で通過させ共和党の反対票が90票にとどまったように、マッカーシー氏が解任されるとは限りません。だからこそ、マッカーシー氏も「罷免したいのであれば、やってみればいい…私にとっては国の方が重要だ」と発言する余裕があったのでしょう。また、マッカーシー氏は下院共和党として、歳出削減や国境の警備強化などを盛り込んだ別の法案を提出する構えをみせ、保守強硬派にも一定の配慮を示すことも忘れません。
下院民主党にしてみても、11月17日につなぎ予算が切れるなか、再度チキンレースさながらの交渉が予想されるため、マッカーシー氏の解任を望むとは考えづらい。共和党陣寧にしても、下院は2年ごとに改選を迎えるほか米大統領選を予定するだけに、失点を免れたいはずで、現実的に行動するのではないでしょうか。
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK –」2023年10月1日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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