大井川右岸に位置する静岡県菊川市。東名高速菊川ICからほど近く、周囲を茶畑に囲まれた丘陵地にひっそりとたたずむ七曲の池。何の変哲もないふつうのかんがい用ため池だが、ことヘラの釣れっぷりに関しては県内でもトップクラス。関東各地の釣り場を巡っている記者だが、ここまでウキが動き、しかも釣れる釣り場はお目にかかれない。しかも、それが無料で楽しめるなんて!

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(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部)

今週のヘラブナ推薦釣り場2023【静岡・七曲の池】

七曲の池の概況

かつて大きな水源に恵まれなかった当該地区において、深刻な水不足を補うため多くの溜め池が造られた。しかし水源確保の難題は依然続き、日照りが続くと干上がってしまう。こうした不安を解消するため国営大井川農業水利事業によって1968年に大井川用水が完成。七曲の池は同用水の調整池として、周辺田畑への水供給(かんがい用)や親水機能の役割を担っている。貯水量は197000tで管理者は大井川右岸土地改良区。

今週のヘラブナ推薦釣り場2023【静岡・七曲の池】七曲の池の概況(作図:週刊へらニュース編集部)

池周辺はフェンスに覆われており多くが釣り禁止エリアではあるが、広大な面積を有するエン堤が解放されているので、ここがおもな釣り可能エリアとなる。駐車場とトイレ完備。

ポイント

前述したとおりメインはコンクリート製チョコレート護岸のエン堤で、駐車場下と道路下の2面ある。とくにポイント差はなくどこに入ってもよく釣れるが、あえて人気ポイントを挙げるなら以下のとおり。

駐車場下&道路下の東寄り

午前中の早い時間帯は日陰になりやすく、しかもトイレ完備の駐車場からも至近。

今週のヘラブナ推薦釣り場2023【静岡・七曲の池】七曲の池・駐車場したエン堤(提供:週刊へらニュース編集部)

道路下オーバーフロー寄り

高さのあるフロー堤が風を遮ってくれ、とくに西寄りの風に強い。また西側にある野地駐車場からも近い。

今週のヘラブナ推薦釣り場2023【静岡・七曲の池】七曲の池・道路下エン堤(提供:週刊へらニュース編集部)

なお高水位時のみオーバーフローから竿を出せるが、現在は平常満水のため不可。

今週のヘラブナ推薦釣り場2023【静岡・七曲の池】手前がオーバーフロー(提供:週刊へらニュース編集部)

その他のエリアは大半がフェンスに囲まれており、また急斜面を下りていく必要がある。釣り禁止の看板が掲げられているエリアも多いので、同池初心者はエン堤に的を絞ったほうが無難。なおエン堤に放置している木製釣り台は個人所有なので無断使用厳禁。

釣り方とエサ

アベーレージサイズは尺前後だが、釣り方とタイミングによっては7~8寸の小ベラがいたずらをして、また時には尺2寸超の良型も交じる。おもなジャミはブルーギルで、現認はできていないがクチボソ系もいると思われる。

今週のヘラブナ推薦釣り場2023【静岡・七曲の池】七曲りの池の底釣りタックル(作図:週刊へらニュース編集部)

ヘラが寄りきってしまえばジャミは気にならない。にも関わらず複雑なウキの動きを出すことがあり、それが前述した小ベラの仕業と思われる。とくに早朝は小ベラの活性が高く、いいアタリなのに乗らないので頭に血が上ってしまう(笑)。しかし時間の経過とともに落ち着くので、小ベラにエサやセッティングを合わせるのではなく、その時間帯をやり過ごす我慢も必要かもしれない。

底釣り

エン堤なので竿を伸ばせば水深が深くなるが、長くても12尺もあれば十分だろう。水深は同尺なら1本半前後。エサは両ダンゴでいい。

面白そうなのが短竿。日中になると足元に良型が見えだすので、そのタイミングで竿5~8尺に切り替えれば、思わぬ良型に出会えるかも。

宙釣り

竿7~11尺。どのタナでもウキは動くが、美ベラや良型を狙うのであればカッツケは除外したほうが無難。目安は60㌢~1㍍前後か。エサは両ダンゴで十分のはずだが、ヒット率をさらに上げたいのであれば両トロロも面白い。

▼この釣り場について
七曲の池
入釣料:無料。釣り台必携。

<週刊へらニュース編集部>

この記事は『週刊へらニュース』2023年9月29日号に掲載された記事を再編集したものになります。