イラン代表サポーター 写真:Getty Images

 U22日本代表は今月1日、第19回アジア競技大会(杭州アジア大会)男子サッカー競技の準々決勝で、北朝鮮代表に2-1で勝利。準決勝で香港代表と対戦することになったが、その香港は優勝候補のイラン代表相手に勝利したことで注目を集めている。ただ、この香港対イランにおける大波乱の裏には、イラン代表チーム内でのコミュニケーション不足があったようだ。

 アジア競技大会で4度の優勝を誇るイランは、グループリーグ2勝1分で決勝トーナメントへ進出すると、決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)でタイを撃破。「日本代表とともに優勝候補」という下馬評通り、ベスト8に駒を進めた。

 しかし準々決勝の香港戦では、キックオフ直後から主導権を握りながらも0-0で前半を終了。後半キックオフ直後に先制ゴールを許すと、その後も攻撃陣が精彩を欠き、0-1で敗れた。

 中国メディア『ズボバ』によると、イラン1部ペルセポリスFC所属の3選手がタイ戦後にチームを離脱したことが、香港戦黒星の原因の一つである模様。イランサッカー連盟会長はペルセポリスに対して、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)アル・ドゥハイル戦が行われる今月3日まで3選手をクラブに戻すと約束していた。

 しかしイラン代表監督は3選手の離脱について、事前に会長から知らされていなかったとのこと。タイ戦翌日のトレーニングで3選手が不在であることに気づくと、メディアを通じてイランサッカー連盟に抗議したという。

 内部のトラブルにより、大会通算5度目の優勝を逃したイラン。イランと比べて格下の香港と対戦することになった日本としては、決勝戦を前に大きなアドバンテージを得た格好だ。