横浜F・マリノスのケビン・マスカット監督は、スコットランド1部レンジャーズ行きが報じられたものの残留。先月、横浜FM監督の招へいに動かなかったレンジャーズの判断に対する疑問が海外で沸き起こっているようだ。
セルティックにリーグ連覇を許したレンジャーズは、今季ここまでリーグ戦7試合を終えて4勝3敗。先月3日のダービーマッチでセルティックに敗れており、首位セルティックから勝ち点7差の3位に甘んじている。
そのレンジャーズの監督人事について、英紙『サン』は先月はじめに「レンジャーズ幹部は、マイケル・ビール監督に時間を与えるか、解任に踏み切るか議論を始めている」とリポート。マスカット監督が後任候補に浮上していることもあわせて伝えていた。
しかし英紙『デイリーレコード』は「レンジャーズの関係者は、マスカットに接触したという報道内容を否定した」と報道。現在もビール監督が指揮を執っているが、先月30日のアバディーン戦で今季リーグ戦3敗目を喫しただけに、現地では監督交代を求める声が上がっている。
それだけに豪州メディア『FTBL』は「レンジャーズがマスカットを指名しなければ、セルティックの陰に陥る運命にある」と、同クラブにJリーグからの引き抜きを推奨。元横浜FM監督であり、現在トッテナム・ホットスパーを率いるアンジェ・ポステコグルー氏を「セルティックでの実績は素晴らしい。世界で最も偉大な監督のひとり」と評した上で、以下のように綴っている。
「レンジャーズがマスカットをもっと早く指名しなかったのには驚いた。おそらくレンジャーズはマスカットの招へいを検討していた可能性がある。もしかしたら彼に接触したかもしれない。しかし、明らかにビール監督の後任に最もふさわしい人物であるにもかかわらず、マスカットは任命されなかった」
「マスカットを招へいすれば、セルティックの真似をしているかのような監督人事に、レンジャーズファンは大いに疑念を抱くだろう。しかしポステコグルーはジョゼップ・グアルディオラ(現マンチェスター・シティ監督)より優れている。世界最高の監督のもとで仕事を学んだマスカットをなぜ望まないのか」
なおマスカット監督は、2002年7月から1年間レンジャーズでプレー。現役引退後、オーストラリア1部メルボルン・ビクトリーでポステコグルー監督のもとコーチを務めていた過去を持つ。