東京都港区に誕生する「麻布台ヒルズギャラリー」は、11月24日(金)から2024年3月31日(日)まで、開館記念展「オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期」を開催する。

オラファー・エリアソン氏は、環境問題などの社会的課題への積極的な取り組みでも世界的に注目されているアーティスト。同氏が生み出す、想像力を駆使した作品たちを体感しよう。

蛍の生物圏(マグマの流星)

蛍の生物圏(マグマの流星)

新たな文化発信の中核「麻布台ヒルズギャラリー」

「街全体がミュージアム」をテーマとする麻布台ヒルズにおいて、文化発信の中核となる場所が「麻布台ヒルズギャラリー」だ。

「麻布台ヒルズギャラリー」では、美術館仕様の施設・設備を装備。アート、ファッション、エンターテインメントなど、多様なジャンルの文化を発信していく。

世界初公開の新作も登場する「オラファー・エリアソン展」

「オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期」が、麻布台ヒルズギャラリー開館記念として開催される。

オラファー・エリアソン氏

オラファー・エリアソン氏

アイスランドとデンマークで育ったオラファー・エリアソン氏。大型インスタレーションをはじめとする同氏の作品は、自然現象やその要素である色や光、動きが導く知覚体験を通して、世界の在り方や自然との関係性についての新たな解釈をうながしていく。

副題『相互に繋がりあう瞬間が協和する周期』

副題の『相互に繋がりあう瞬間が協和する周期』は、麻布台ヒルズ森JPタワーのオフィスロビーに設置された、オラファー・エリアソン氏によるパブリックアートの作品名だ。本展では、この作品で取り組んだ主題を、新作のインスタレーションや立体作品を含めさらに探求していく。

相互に繋がりあう瞬間が協和する周期(部分)

(部分)

また、この作品には幾何学的形体の研究や地質学的な時間に対する概念的な問いに基づき、初めて再生金属が使用されている。加えて、彫刻の形状はひとつの点がねじれながら移動する軌跡を描いたもので、人々の行動、求心力、自由に動くダンスなど、あらゆるものの運動を表現している。

徐々に複雑になるこれらの形は、振動を表すリサジュー曲線に着想を得て、そこからダイナミックな立体に転換。細部に目を向けると、菱形、凧型、三角形で構成される十一面体を多数繋ぎ合わせることで全体が形作られていることがわかるだろう。

 「オラファー・エリアソン展」の3つの見どころ

水を用いた大型インスタレーション『瞬間の家』

天井高5m、全長20mを超える暗闇の空間にストロボの光で瞬間的に照らされ展示される『瞬間の家』。

瞬間の家

瞬間の家

水と光というシンプルな要素によって無限に生み出される水の曲線の抽象表現は、オラファー・エリアソン氏が長年取り組んでいる幾何学形体の研究や自然素材に内在する美しさへの理解をうながしていく。

日本初展示作品15点を展示

今回の展覧会のために制作された新作の1つが『呼吸のための空気』(2023年) だ。同作は、『相互に繋がりあう瞬間が協和する周期』と同じモジュールとリサイクル素材を使用。これら2つの作品は、オラファー・エリアソン氏が再生金属に特化して制作した初めての作品であり、スタジオのサステナビリティへの継続的な取り組みにおける重要なマイルストーンとなるものだ。

呼吸のための空気(コンセプト・ドローイング)

呼吸のための空気(コンセプト・ドローイング)

ほかにも、カタールの砂漠で太陽光や風力などの自然エネルギーで制作したドローイング・シリーズ、振り子の動力のみで稼働し、会場内でドローイングを生成するドローイングマシン『終わりなき研究』(2005年)など、日本初公開の作品群が出展される。

スタジオ・オラファー・エリアソン・キッチンとのコラボ

週に3日食事が提供され、スタジオのチーム全員と、その時たまたま訪れたゲストやコラボレーターが家庭的なスタイルで分かち合う「スタジオ・オラファー・エリアソン・キッチン」。展覧会の会期中限定で、「麻布台ヒルズギャラリーカフェ」とのコラボレーションが決定した。

コラボでは東京近郊の食材を使用した特別メニューが用意され、創作的な家庭料理を楽しみながら、彼らの姿勢や環境に対する考え方に触れることができるだろう。

全長20mの大型インスタレーションや世界初公開の新作、食のコラボレーションなど盛りだくさんの企画を見逃すな。

オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期
所在地:東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階
アクセス:東京メトロ神谷町駅より徒歩1分

(綱嶋直也)