伊藤洋輝 写真:Getty Images

 サッカー日本代表の森保一監督は、今年10月の国際親善試合(カナダ戦、チュニジア戦)でDF中山雄太(ハダースフィールド・タウンFC)の代表復帰を示唆。現在1番手であるDF伊藤洋輝(VfBシュツットガルト)を含む左サイドバックのポジション争いに注目が集まっている。

 森保ジャパンの左サイドバックは、FIFAワールドカップ・カタール大会(カタールW杯)本大会までDF長友佑都(FC東京)がレギュラーに。中山はW杯アジア予選や国際親善試合で長友と競争していたが、昨年11月のアキレス腱負傷により、本大会目前にして日本代表メンバーを辞退していた。

 中山が今年7月まで戦線離脱している間、左サイドバックを巡る事情は変化。長友が今年3月以降、一度も招集されない中、昨年6月にA代表デビューを果たした伊藤が1番手に。伊藤は今月のドイツ戦とトルコ戦を含めて、カタールW杯以降は6試合中4試合でスタメン出場している。

 そんな中、森保監督は「(中山は)選考のテーブルに上がってくる」と発言。来月上旬に代表メンバー発表を控える中、中山のプレーを確認したことを明かしただけに、ネット上では「中山の左サイドバック起用待望論」も沸き起こっている。

 また日本代表OBの城彰二氏は、今月9日に行われたドイツ戦の試合中に「日本代表の課題は、伊藤洋輝のところ。左サイドバック」と指摘。「三笘薫(ブライトン)との連携だけど、相手からかなり警戒されると、なかなか崩しにくい。守備のポジショニングのとり方では、三笘が下がらなければならない。そこの部分の連動を上げられると、もっと良くなる」と語っていた。

 さらに同氏は今月12日のトルコ戦後、左サイドバックを本職とするDF森下龍矢(名古屋グランパス)の出場が叶わなかったことを残念がるとともに「左サイドバックに関しては、伊藤洋輝がいて、中山雄太が帰って来て、そこに森下が入って。まだ伸びしろがたくさんあるし、(サイドバックの選手層が厚くなれば)もっと強い内容で戦えるんじゃないかなと」と、中山の存在を指摘している。

 中山は今年7月の練習試合で実戦復帰すると、先月8日のEFLカップ(イングランドのリーグカップ戦)1回戦で復帰後初めて公式戦でスタメン出場。今月20日のイングランド2部リーグ第7節ストーク戦から2試合つづけてフル出場するなど、復活を印象付けているだけに、中山と伊藤の左サイドバック論争が白熱しそうだ。